プレイヤーキャラクター(以下PC)の作成
ここでは、本作におけるプレイヤーキャラクター(以下PC)の作り方を述べていきます。
「各種ダウンロード」からキャラクターシートを参照しつつ読むと分かりやすいでしょう。
なお本作のPCは全て《心輝者(ブレイザー)》と呼ばれる、変身して超常的な力を扱う異能者(いわゆる「魔法少女」)となります。
1.基本設定
1.1 キャラクター名
まずはキャラクター名を決定します。
本作の地球では《眷属(アポステル)》と呼ばれる怪物の襲来により多くの民衆が難民となり、比較的安全な国家に流入しています。
そのため、あまり「国ごとの名前の妥当性」などは気にせず、自由に決めてよいでしょう。
また、本名だけではなく「《心輝者》としての名前」も決めておくとよいでしょう。魔法少女が「魔法少女としての名前」を持つのはお約束です。
本作の世界における「魔法少女としての名を名乗る」行為は、悪意のある他者に攻撃されぬよう「"人間としての自分自身"を隠す」という意義があるのですが。
1.2 経歴(出自・絶望・願望)
次はキャラクターの経歴を自由に決めていきます。
キャラクターの経歴は「出自」「絶望」「願望」で構成されます。
「出自」はキャラクターが生まれ育った環境を示します。
「絶望」はキャラクターが《心輝者》として覚醒した要因を示します。《心輝者》は覚醒の際に、深い絶望を経験しなければなりません。
但し、絶望とは主観的なものであるため、それが他者・世界から見てどれだけ深刻かは関係がありません。
「故郷が滅びた」ことにより覚醒した《心輝者》が居てもいいし、同時に「好きな男子にフラれた」ことにより覚醒した《心輝者》が居てもいい訳です。
また、何らかの具体的な経験による絶望である必要はなく、たとえば「過酷になっていく世界をニュースを通して見てきたせいで、未来に絶望感を覚えた」といった形でも構いません。
「願望」はキャラクターが世界に望む願いを示します。
《心輝者》は、他の《心輝者》や《眷属》を討伐することで、その者が持っている心の輝きを具象化した結晶――
《心核(ブレイズ・メモリー)》を獲得することが出来ます。
また、絶望に陥りかけている人間の心を救済することで、《心核》の断片である《心核片(メモリー・ピース)》を獲得することが出来ます。
(その他、弱い《眷属》は死亡時に《心核》ではなく、《心核片》を放出します。)
これらを一定数集めることでその《心輝者》は高次元存在、分かりやすく表現をするならば「女神」となります。
《心輝者》が女神となった場合、かねてよりの願望を叶える為の法則改変力を得られるため、基本的にどんな願いでも叶います。
(例外的に叶わない願いもありますが、それをキャラクターは知らないのでキャラクター作成のタイミングで意識する必要はありません。詳しくは「ルールセクション」「判定のルールとセッションの流れ」「5.2 神域到達(サブリメーション)」を参照。)
世界を改変するでも、一個人の心を自分に向けさせるでも構いません。好きなことを書きましょう。
また、キャラクターに大きな心情的変化が訪れた際には願望を変更しても構いません。
1.3 《剣痕(グレイブ)》の位置
《心輝者》は、肉体のどこか一箇所に《剣痕》と呼ばれる痣が現れます。
《剣痕》を確かめることで、その者が《心輝者》であることが分かります。
これはルール上、特に意味のない項目なので、どこに設定しても構いません。
また、デザインも自由です。もっともメジャーなものは剣を模した「†」にアレンジを加えたような形ですが、そうでなくても構いません。
1.4 年齢・髪の色・瞳の色
年齢・髪の色・瞳の色を自由に決めていきます。
但し、年齢に関しては、《心輝者》になれるのは基本的に6歳から40歳までとなりますので、その範囲内を推奨します。
髪の色や瞳の色については、現実感に拘らず好きなように決めてください。
なお《心輝者》になれるのは女性だけであるため、原則、男性キャラクターは使用出来ません。(そのため「性別」欄は存在しません。)
しかし、セッションの参加者全員の合意が取れているのならば、男性キャラクターを使っても問題ないでしょう。
2.能力値
次はPCの能力値を決定していきます。
能力値は、《心輝者》としての力を抜きにした、通常の人間としての適性を四種類の値で表したものです。
主に戦闘外の状況において、PCの行動の成否を判定する際に使用します。
戦闘中は(一部のスキル以外では)基本的に参照することはありません。
・【肉体】
肉体の強靭さや持久力、身体操作の技量を表します。
とはいえ《心輝者》は少女なので、この数値が高くとも、外見で分かるほど逞しい肉体になることはありません。
・【思考】
知識量や洞察力を表します。この値が高いほど、より多くの知識を持っていたり、或いは状況を推理して答えに辿り着く力が高くなります。
・【感覚】
感覚の力や器用さを表します。
なにか道具・武器を使う際の技量、脅威を察知する直感などを示します。
運転技術もこれに含まれます。
・【社交】
社交性を表します。この値が高いほど他者と上手く付き合うことができ、他者からより多くの利益を獲得することに繋がるでしょう。
2.1 能力値の決め方
4つの能力値の初期値は全て「3」です。
キャラクター作成時には5点のフリーポイントが与えられるので、それらを4つの能力値に好きに配分します。(ポイントを余らせることは出来ません。)
但し、フリーポイントは1つの能力値に4点以上振り分けられません。従って、この時点での能力値の上限は6となります。
3.HPと行動値
HPは致命傷にならないダメージの許容量を表します。HPが0以下になった場合、即座に戦闘不能になります。
(戦闘不能となった場合は戦闘から取り除かれ、復帰出来ませんが、パート終了時にHP1で復活します。また、敵対者は戦闘不能者をいつでも死亡させられます。)
HPはPCが《心輝者》として変身していない場合、適用されません。その状態ではあらゆる攻撃が致命傷となるため、「1点でもダメージを受ければ」戦闘不能になります。
HPはセッション開始時に最大HPまで回復します。
行動値は戦闘における行動の順番を示します。
この数値が高いほど先に行動出来ます。同じ値の場合、PCとNPCではPCを優先します。PC同士やNPC同士が同値ならば自由に決定します。
なお、行動値は減少する場合がありますが、1未満になることはありません。
・最大HPの初期値は「40」、行動値の初期値は「5」です。(フリーポイントは存在せず、この段階では固定です。)
4.《心核》と《心核片》
《心輝者》や《眷属》は死亡した際に、自分自身の心や他者から吸収した心を全て、《心核(ブレイズ・メモリー)》と呼ばれる結晶として放出します。
また、《心輝者》や《眷属》へのなりかけ、すなわち「絶望しそうになっている人間」に対して精神的救済を与えることで、その者は
《心核片(メモリー・ピース)》と呼ばれる結晶片を具象化して放出します。
(《眷属》は、死亡時に《心核》ではなく《心核片》を落とすこともあります。或いは微弱な存在である場合、《心核片》すらも落とさないかも知れません。)
これらは通常の人間は(存在そのものは知っていますが)観測することも干渉することも出来ません。
《心輝者》はこれらを収集することで、願望の成就を目指していきます。
セッションのクライマックス・シーン終了時にて、《心核》を10個保持しているPCは女神になることが出来ます。(後述)
また、《心核片》は6個集まると、即座に1つの《心核》に変換されます。
セッション中、敵の討伐やイベントの進行などによってPCは《心核》や《心核片》を得ることが出来ます。
この際、PCがこれらを直接獲得出来る場合と、《心核》や《心核片》がその場に放出される場合があります。後者である場合、その場面(パート)に登場しているPCならば誰でもそれを獲得出来ますが、プレイヤー同士の対立が推奨されていないシナリオにおいては話し合って上手く配分を決定しましょう。
なお、《心核》を1つも持たない状態になったPCは「自分自身の心まで喪ってしまった」ことになるため、(クライマックス・シーン終了時に)精神的に死を迎えて廃人となります。
・《心核》の初期値は「1」、《心核片》の初期値は「0」です。
キャラクターシート上においては、《心核》は10個あるマスを1つずつ塗りつぶしていく形で記入します。
5.関係性
PCが持つ、ひときわ強い他者との繋がりを示します。
その内容は特に指定されていない限り、自由に決定します。「友情」や「愛情」といったポジティブなものだけではなく、「殺意」や「軽蔑」などといったネガティブなものでも構いません。また、関係性の変化が訪れたと思ったタイミングでいつでも変更することが出来ます。
関係性は5個まで保持することができ、新しい関係性を取得した際には、いつでも古いものと入れ替えることが可能です。なお、キャラクターシート上の関係性を破棄したからといってキャラクター設定レベルでその対象との縁が希薄化する訳ではありません。
・キャラクター作成時に関係性を1つ、生存している他者に対して取得します。
その対象は他のPCや既存のNPCだけではなく、PC作成にあたって、いま創造したNPC(PCの家族や友人など)でも構いません。
関係性は後述する「リンクブースト」を使用できる回数に関わってきます。
関係性はシナリオ開始時やシナリオ中にも取得出来ることがあります。つまりキャラクターをシナリオに参加させればさせるほど繋がりも増えていくという訳です。
6.スキル
最後に、スキルを習得していきます。
本作において、《心輝者》としての力は(変身することも含めて)全て「スキル」として表現されています。
6.1 スキルの習得の仕方
キャラクター作成時、PCはまず「デフォルトスキル」である《心輝(メンタル・ブレイズ)》《通常攻撃》《ガード》《連携》《オーバーライド》を全て習得します。
これらは全てキャラクターシートに既に記入されています。
PCは《心輝》を使用することで変身します。変身を行っていない場合、《心輝》《通常攻撃》《連携》以外の全てのスキルが使用出来ず、後述する「習得効果」も適用されません。
その後、「データセクション」のページを参照して、「ノーマルスキル」から「4つ」、「カルネージスキル」から「2つ」習得します。
本作においては一般的なテーブルトークRPGで見られるサイコロを使用せず、トランプを用いてゲームを進めていくのですが、「ノーマルスキル」はトランプの山札から引いた手札を消費して使用するスキルとなっています。
「カルネージスキル」は、「デフォルトスキル」や「ノーマルスキル」を使用していくことによって蓄積された「気魄」を消費して使用する、強力なスキルです。(なお、気魄の初期値は0枚です。)
「ノーマルスキル」と「カルネージスキル」には全て「習得効果」が設定されています。
これは、そのスキルを習得しているだけで常に適用されるものです。
なお、「このスキルは何度でも習得出来る。」という習得効果を持っているスキル以外、同じものを何度も習得することは出来ません。
スキルの習得が終わったら、キャラクターシートの右下に習得効果の一覧を書いておくと便利でしょう。