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ゲームマスターセクション

 ここではシナリオの作成方法について述べていきます。
 とはいえ、本作は「《心輝者》を活躍させられるのであればどのようなシナリオにしても構わない」という意味で自由度が高く、機械的にシナリオを作ることは出来ません。
 《眷属》の軍勢との戦いを繰り広げても良いですし、悪の《心輝者》と対立させても良いですし、プレイヤーの操る《心輝者》同士で争わせても良いですし、キャラクター間の交流を主体とし、戦闘をしないようなシナリオだって作ることが出来ます。
 ここで述べるのは飽くまで最も基本的な形式となります。

1.シナリオに必要なもの
 まず「ダウンロード(GM用)」にて掲載されているサンプルシナリオ①は王道的な構成なので参考になるかと思います。
 しかし、こちらは導入ハンドアウトや今回予告、友好的なNPCなどが設定されたリッチな内容でもあります。これらの要素は必ずしも必要ではありません。
 では「最も基本的な形式」を考えたとき、シナリオに必要なものとは何でしょうか。
 それは「敵キャラクター」――具体的には《心輝者》や《眷属》。そして舞台(状況)設定です。

1.1 敵対キャラクター
 本作のPCは《心輝者》であり、基本的には願望成就を目指すことになります。従って、舞台に《心輝者》や《眷属》を出しておけば、ひとまず戦う理由を作ることが出来ます。
 データセクションに記載されている汎用導入表もそれを想定した内容となっています。

 特に《眷属》はいわゆる「雑魚敵」として便利な存在と言えます。
 例えば「ショッピングモールに《眷属》の群れが出現したので、内部を探索しつつ見つけ次第討伐する」といった感じのシナリオであれば敵は《眷属》だけで充分でしょう。
 その場合、クライマックス・シーンも「PCが《眷属》と遭遇する」というシンプルな形になるでしょう。
 一方でロールプレイの盛り上がりをより高めたいと思うのであれば、敵は対話が可能な存在である《心輝者》にすると良いかも知れません。
 但し、敵対する《心輝者》を登場させる場合、反社会的な行動指針を持たせるのが無難です。敵対する大義名分が無いと、戦闘に積極的でないPCがシナリオに介入しにくい為です。
 罪のない《心輝者》と戦わせたいのであれば、そのことが伝わるような設定を予めシナリオ概要にて示しておきましょう。

1.2 舞台設定とイベント
 PCが戦いを繰り広げる舞台の設定です。
 規模感は自由で、街一つでも良いですし、駅やショッピングモール、学校といった施設一つにするのも良いでしょう。
 《空間変異》によって発生した異空間を舞台とすることも出来ます。その場合、「隣接しているエリアにしか移動出来ない」といった制約を設ければダンジョンハックのようなことも出来ます。
 舞台を設定するのが難しい場合、どこかの街一つにすることで汎用フィールド表および汎用イベント表を使用出来ます。

 

 独自の舞台を用いる場合、幾つかのエリア、つまり「PCの行き先となる具体的な場所」を設定しましょう。たとえば学校であれば「グラウンド」「体育館」「校舎1階」……といった具合です。
 そして、どのエリアでどんなイベントがいつ起きるのかを設定します。
 イベントには「敵とのエンカウント」や「敵を追跡する為のヒントを得る」といった内容を設定しても良いですし、それとは無関係な出来事にしても良いでしょう。

 何らかの課題をクリアすることでPCが《心核片》などを得たり次のイベントの発生条件を満たす、というようなことも出来ます。
・前者の例:能力値判定を行って苦悩している友人を慰め、判定に成功すれば友人の心を癒やすことができ、《心核片》を得られる。
・後者の例:能力値判定を行って商店街で情報を集め、判定に成功すれば目標の人物の行方が分かり、その人物に会うイベントが発生する。

 但し、判定に成功しなかった為に行き詰まってしまってはいけないので、成功しなければ物語が進まない場合は何度でもそのイベントに挑戦出来るようにすることを推奨します。逆に一度きりのイベントである場合は判定で失敗しても物語が問題なく進行するようにしましょう。(シビアなシナリオにしたい場合はその限りではありません。)

 

 なお「アドベンチャー・シーンを完全に一本道にする」という遊び方も出来ます。イベントが終わったら自動的に次のイベントが発生する……といった進行スタイルです。
 この場合、エリアの設定は必要ありません。

1.3 その他
・敵対するキャラクター
・舞台設定(エリアやイベントを含む)
 が用意出来たら、後は
・敵対するキャラクターの戦闘用データ
・アドベンチャー・シーンのサイクル数(※一本道ではない場合)
・想定プレイヤー人数
・クリア報酬(経験値10点程度がよい)
 を決めれば基本的な形式のシナリオが完成します。

 より物語的な深みを加えたい場合、PCや敵対するキャラクターと関係がある敵対的でないNPCを登場させるとよいでしょう。
 たとえば戦う相手が《眷属》であるならば、その《眷属》の恋人であった人物をNPCとして登場させれば悲劇的な物語にすることが出来ます。

2.ゲームバランス
 本作では敵データを完全に自由に作ることが出来ます。逆に言えば明確なバランスの基準はありません。
 しかし、
・ダメージの軽減能力を上げ過ぎない。耐久力を上げたい場合は最大HPを増やす。
・GMがカードを引き過ぎない。クライマックス・シーンにおいてGMが毎ラウンドごとに引く合計カード枚数は、プレイヤー人数以下に留めるのが良い。敵キャラクターのカード消費量が多いのであればその限りではないが、その場合は気魄を消費するスキルを連発出来てしまう為、そういったスキルの性能を上げ過ぎない。
・条件付きで発動するものでない限り、一撃でPCを戦闘不能にし得る攻撃は持たせない。
・[モブ属性]を持つ敵を多く出す場合、《ガード》など、カードを消費して使うダメージ軽減スキルを持たせない。(リソースを消費せず使用出来てしまう為。)
 といったことは意識すると良いかも知れません。

 データ作成が難しい場合はサンプルシナリオを参考にしたり、サンプルエネミーを使用しましょう。
 

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