判定のルールとセッションの流れ
ここでは、本作におけるセッション(1回のゲームプレイ)の流れや各種ルールについて述べていきます。
▼本作における数値の扱いについて
本作においては除算が行われる場合、特に記述がない限りは端数を切り捨てます。
また、減算が行われる場合の下限は0となります。
1.手札と山札の管理
本作ではトランプを二束用意し、それらを混ぜたものを利用してゲームを進めていきます。(サイコロは基本的には使用しません。)
セッション開始時、プレイヤーは山札から5枚カードを引き、それらを「手札」として隠した状態でゲームを進めます。
手札は様々な要因により増減します。
なお、手札はキャラクターの思考や感情といった(動的な)内面を表現したものとなります。従ってプレイヤー同士であっても見せ合うことは出来ませんが、手札の内容についての相談は自由に行うことが出来ます。
カードの数値をゲーム中に参照することがありますが、カードのランクをそのまま数値として扱います(エースは1、キングは13など)。
ジョーカーに関しては、公開(使用)した人の任意のスートの、1~20のうちの任意の値として扱います。
なお山札が尽きた場合、即座に捨て札をシャッフルして裏向きにし、山札にします。これは、何らかの効果の処理中にも割り込みで発生します。
ゲームマスター(以下GM)は基本的に手札を持ちませんが、後述する能力値判定の際には一時的に手札を用意します。
また戦闘を行うパートにおいても全ての敵キャラクターで共用する為の一時的な手札を用意します。但し、[モブ属性]が設定されたキャラクターに関してはルール上、手札を持たないものとします。その為、たとえば「手札を捨てる」という効果が適用されたとき、通常の敵キャラクターならばGMが手札を捨てることになりますが、[モブ属性]を持っている敵キャラクターならば何も起きません。
2.能力値判定の方法
能力値による判定は、主に戦闘以外の場面で、PCが(確実に成功するとは言えない)何らかの行為を行う時に発生します。
能力値判定が発生した場合、プレイヤーは4つの能力値のうち、自身が行うロールプレイに沿ってどれか一つを選択します。
GMはその行動が成功する為の目標値を、行動自体の難易度やロールプレイの内容などを勘案して設定します。これは判定前にプレイヤーに伝えても、伝えなくても構いませんが、基本的には伝えることを推奨します。
使用能力値と目標値が決定したら、判定を行うプレイヤーは手札からカードを1枚選んで、捨て札に置きます。
そのカードの数値に選択した能力値を加えて、それが目標値以上になっていたならば、その行動は成功したという扱いになります。
なお能力値判定の際、PCは事前に、(後述する)1ターン分の行動、すなわち「ムーブコマンド」と「アクションコマンド」を行うことが出来ます。
これらのタイミングで何らかのスキルを使用することで、場合によっては判定が有利になるかも知れません。(但し、ここでスキルを使用しても「気魄」は増えず、使用したカードはそのまま捨て札に行きます。)
もしGMの判定が必要になった場合、GMはその場で山札からカードを5枚引いて即席の手札を作り、判定します。パート終了時にそれらの手札を全て捨て札にします。
能力値判定の例)魔法少女Aが学校の友人の恋の悩みを聞くとします。
たとえばAちゃんが的確に成功に導くようなアドバイスをするタイプなのであれば、【思考】を用いるのが良いでしょう。
建設的なアドバイスは避けて共感を示し、気持ちを楽にしてやることを重視するタイプなのであれば、【社交】や【感覚】を用いるのが良いでしょう。
【肉体】でこの問題を解決しようとするのは意味が分からないので却下されてしまいますね。
ともかく能力値を選んだならば、GMは目標値を伝えます。Aちゃんは明るい性格なので【社交】を選びました。対してGMが提示した目標値は「15」。
Aちゃんの【社交】が8なので、彼女は手札から7のカードを出しました。
その合計値は15であり、目標値の15以上になっているので、Aちゃんは無事コミュニケーションに成功し、友人の苦しみを癒やすことが出来ました。
3.セッションの進行
3.1 セッションの構成
本作における1セッションは、以下の手順で行われます。
(0)セッション開始前
キャラクターを作成するかもしくは、既存のキャラクターの準備を行います。
また、シナリオ側から各PCに与えられる設定(導入ハンドアウト)が存在する場合、その決定なども行っておきます。
①オープニング・シーン
各PCの背景や事件に関わる経緯などを描写する、導入の部分となります。
なお、オープニング・フェーズ開始時(つまりセッション開始時)に、各プレイヤーは初期の手札を用意しておきます。
②アドベンチャー・シーン
NPCと関わったり、情報収集を行ったり、街を探索するなどして、物語を進めていく部分となります。
③クライマックス・シーン
事件の黒幕である敵対勢力と本格的に戦闘が行われる部分となります。
④エンディング・シーン
事件後の描写を行う部分となります。このシーンをもってセッションは終了となります。
(5)セッション終了後処理
経験点の配布などを行います。
3.2 「パート」について
①~④のシーンは、「パート」という単位に分割されます。
これは関連する一連の出来事を描くもので、時間的隔たり、場所的隔たりなどによって次のパートに移行します。
PCは、パートに登場していなければ、何のアクションを取ることも出来ません。
基本的には、各シーンは以下のように分割されます。
オープニング・シーン:PC人数で分割し、各パートにつきPC一人の導入を描いていきます。(シナリオによっては1パートで全員分の導入を行っても構いません。)
アドベンチャー・シーン:サイクル数で分割し、更に1サイクルをPC人数で分割します。
クライマックス・シーン:1パートで構成されます。
エンディング・シーン:PC人数で分割し、各パートにつきPC一人の結末を描いていきます。
基本的にGMは各パートにおいてどのPCが主体となるかを決定し、そのPCは必ず登場することになります。
しかし物語上不自然ではないのならば、GMが許可する限りにおいて各PCはいつでも自身が主体ではないパートに登場することが出来ます。
また、GMやプレイヤーは物語の流れ次第で、上記の例に従わない新たなパートを発生させることが出来ます。
GMは必要であれば、「全くPCが登場しない・出来ないパート」を発生させることも出来ます。
パートの終了時に、そのパートに登場していたPCは、山札からカードを1枚引きます。その後、手札が6枚以上になっている場合、5枚になるまで選んで捨て札に置いていきます。
3.3 セッション開始前
セッション開始前には、まず、シナリオの進行やNPCのコントロール等を担当するGMは、今回遊ぶシナリオの概要(舞台設定、物語の導入、サイクル数、PvPの推奨/非推奨)を説明します。
シナリオを象徴するような「今回予告」が設定されている場合、それを読み上げます。
その後、シナリオに「導入ハンドアウト」が設定されているならば、それを各プレイヤーに提示して一つを選んでもらいます。導入ハンドアウトには、今回のシナリオで描かれる物語に対する関わり方を書き示します。
プレイヤーは、選択した導入に適合出来るようなキャラクターを作成するか、または既存のキャラクターを(適宜、成長などを行って)用意します。
例えば、「学園の同級生の悩みを解決する」という導入が提示されたハンドアウトを選択したのに、「普段は会社員である」という設定のPCを作成するのは、望ましいとは言えません。
但し、少々の不適合があっても導入の形式自体に変化は無いと考えたのならば、GMに相談して、可能であればハンドアウトの内容を微調整するのもよいでしょう。
キャラクターシートの用意が終わったら、各プレイヤーは、自身のキャラクターの紹介を行います。
ここでは、名前や年齢、外見的特徴、経歴や性格の傾向などを自由に紹介するとよいでしょう。PvP(プレイヤー同士のバトル)を推奨しないシナリオならば、連携の為にスキル構成の特徴なども説明しておくとよいでしょう。
GMはキャラクター紹介を聞いて、「GM用セッションシート」に(今回遊ぶシナリオの名前などと共に)PCの名前や設定などをメモしていきます。
3.3 オープニング・シーン
オープニング・シーンでは、各PCの物語への導入を描いていきます。
ここではシナリオに設定された導入ハンドアウトを用いても良いですし、(導入としてシナリオに適合しているならば)「汎用導入表」などを使って演出しても良いですし、慣れているプレイヤーならば完全に演出を任せてしまってもよいでしょう。
たとえば《心輝者》として覚醒したばかりのPCなのであれば、覚醒の描写と、覚醒後の日々を描いていくと良いかも知れません。
3.4 アドベンチャー・シーン
アドベンチャー・シーンでは主に、キャラクター同士の出会いや関わり合いの描写、なにか事件が起きているのならばその追及や発展など、物語の経過を描いていきます。
アドベンチャー・シーンは、シナリオに設定されたサイクル数だけ繰り返され、1つのサイクルでプレイヤー全員が一回ずつ手番をもらって(パートを発生させて)行動します。この時、行動する順番はプレイヤー間で相談して決めて下さい。
GMはイベントが発生するたびに、舞台となる場所のどこで起きているかを述べます。また、そのイベントの概要を述べます。
プレイヤーはそれを聞いて、行動開始時に「どの場所に行くか」を選択します。
そのプレイヤーのPCが、イベントが発生している場所に行ったならば、当該イベントが描写されていきます。
(同じ場所に複数のイベントが発生している場合、どれを実行するかはPCが選択します。シナリオ側でイベントに優先度が設けられている場合、より優先度の高いイベントが実行されます。)
イベントには課題と報酬(《心核片》や次のイベントを発生させる為に必要なフラグ・情報など)が設定されていることがあり、課題をロールプレイや能力値判定などによってクリアすることで報酬を取得することが出来ます。(内容次第で、成功するまで何度でも挑戦出来るイベントにしても構いません。)
このイベント中のPCの振る舞いや課題の達成状況によって、GMは物語の展開を左右するのがよいでしょう。
たとえば絶望を抱えているNPCがいたとして、その者から《心核片》を一定数取得出来ていなければ、クライマックス・シーンで《眷属》化して襲ってくる……などといった具合です。
イベントが発生していない場所に行った場合、PCは「汎用イベント表」(あればプレイ中のシナリオ専用のイベント表)などを使用してイベントを起こすかまたは、自ら「行いたいこと」を宣言し、GMと相談した上で可能であれば実行していくことになります。(詳細なルールはシナリオ側で自由に決定することが出来ます。)
PCの行動次第で、GMはPCに対して関係性や《心核片》などを与えるのがよいでしょう。
(たとえば他者との絆が深まったならば関係性を取得させる。他者を脅威や苦悩から救ったなら《心核片》を取得させる、など。)
プレイヤーも妥当だと思ったならばそれらの取得を要求して構いません。
或いは「関係性/《心核片》が欲しいのでこういうことをさせてくれ」という形でイベント内容を提案するのも良いでしょう。
但し、関係性を得られるのはイベントを発生させたPCのみであり、かつ一度のイベントで一つの関係性しか得られません。《心核片》も基本的にはそれと同じように扱うのが良いですが、戦闘が発生する場合は敵の数や参戦PCの数などに応じて複数の《心核片》を配布しても良いでしょう。
イベントを描いていく際、そのPCのプレイヤーはGMや他のプレイヤーが許可する限り、他のPCやNPCを任意に登場させて構いません。GMもランダムなキャラクターを登場させるなどして構いません。自由に演出しましょう。
基本的には、PCにせよNPCにせよ誰か話し相手が居た方が描写が盛り上がるでしょう。
アドベンチャー・シーンの全体的なイメージとしては、デジタルのアドベンチャーゲーム(特に、いわゆるギャルゲー)を想像すると分かりやすいかと思われます。
3.5 クライマックス・シーン
クライマックス・シーンでは主に、事件の黒幕である敵対勢力と本格的に戦闘が行われます。
主に戦うことになるのは敵対的な《心輝者》や《眷属》に堕ちてしまったNPCです。
しかし、シナリオ上そのどちらも存在しない場合は、《眷属》に成り果てたモブキャラクター達や、(ワールドセクションで述べている)《空間変異》によってシナリオとは無関係に出現した《眷属》と戦わせるのがよいでしょう。
なお、クライマックス・シーンにおいて必ずしも戦闘を行う必要はありません。しかし、戦闘を行わないとPCは《心核》を得る機会が無いというのと、ゲームとしての盛り上がりの観点から、出来れば戦闘を行わせることを推奨します。
クライマックス・シーン終了時、もし《心核》が10個に到達している《心輝者》が居るのならば、そのキャラクターは後述する《神域到達》に挑むことが出来ます。
また、《心核》が1つもない《心輝者》は、このタイミングで死亡します。
3.6 エンディング・シーン
エンディング・シーンでは、事後処理や後日談などの描写を行います。
事件を終息させた後に取り戻した、或いは変化の訪れた日常を描写したり、自身の属する組織への報告を行ったり……といったことを描いていきます。
PCが死亡している場合、残された者達の様子を描くとよいでしょう。
また、キャラクターロストしている場合は、ロストした《心輝者》の姿や、変化した世界の様子を描くとよいでしょう。
3.7セッション終了後処理
ここでは、以下のような処理を行います。
・PCのHPを全回復させる。この時、死亡していたPCは復活する。
・《心核》が0になって死亡したPCを、《心核》が1の状態で復活させる。
・関係性に付けたチェック全てを消す。
・経験値の配布
・獲得経験値をGM用セッションシートへ記入
3.7.1 経験点の配布
以下のような三つの項目に基づいてGMや他のプレイヤーが判断し、満たす項目の経験値を合計して与えます。
経験値の配布が終わったら、プレイヤーはセッションシートに自身が獲得した経験値を記入します。それらの合計をPC人数で割ったものは、GM自身の経験値となります。
■PCの生存・死亡・キャラクターロストに関わらず、セッションに最後まで参加した…シナリオの「クリア報酬」として設定されている点数(10点程度がよい。)
■良いロールプレイをした…1点
・基本的には点をあげましょう。「点をあげるか否か」の判断をする場ではなく、キャラクター性を振り返って感想を述べる場と捉えて下さい。
■GMを助けるような行動や発言を行う等して、セッションを円滑に進行させた…1点
・GMの判断によりますが、よほど悪質なゲームプレイングをされていない限り、基本的には点をあげましょう。
これらの経験値は、セッションに参加したPCに与えられます。プレイヤーは経験値を用いて、そのキャラクターを成長させることが出来ます。
GM自身に付与された経験値は、GMが自身のPCに任意に振り分けることで使用出来るようになります。
セッションの前後に経験値を消費する際、その時のGMに許可を取って下さい。
4.PCの成長について
プレイヤーはPCが持っている経験値を消費して、セッションの開始までにPCを以下のように成長させておくことが出来ます。
なお原則、セッションの最中の経験点の使用は出来ませんが、場合によってはGMはこれを認めてもよいものとします。また、緊急時にはGMが認めるならば「今回のセッションで得られる予定の経験値」を前借りすることが出来ます。これらを行った際はプレイヤーも相応の「覚醒演出」などを挟めば、救済措置をむしろ盛り上がりに昇華出来るでしょう。
■任意のノーマルスキルを1つ習得する……経験値10点消費
■任意の能力値を2種類選び、それらを1ずつ上昇させる……経験値15点消費
■任意のカルネージスキルを1つ習得する……経験値20点消費
5.キャラクターロストおよび神域到達(サブリメーション)について
5.1 死亡とキャラクターロスト
セッション中、戦闘不能になった上で誰かにとどめを刺されたり、《心核》を完全消費した状態でクライマックス・シーンを終えることによってPCは死亡します。
《心核》に関しては一度でも0個になっていれば、その後で1個以上にしたとしてもクライマックス・シーン終了時に死亡します。
しかし、PCは死亡してもセッション終了時には復活します。
これは物理的に再生している訳ではなく、本作世界観における1セッションが「無数の平行世界のうちの一つの出来事」であるが故の現象です。
すなわちPCが死亡しても、次のセッションにおいては「死亡しなかった平行世界」が描かれる訳です。
但し、ある一つの世界においてそのPCが死亡しているということは紛れもない事実です。
その為、連続性のある複数のシナリオを続けて遊ぶ場合、途中で死亡したPCは継続参加不可能となります。
5.2 神域到達(サブリメーション)
《心輝者》や《眷属》の討伐を進め、《心核》を集めきった先に至る「願いの成就」を描くイベントです。
クライマックス・シーン終了時、《心核》が10個に到達しているPCは、このイベントを発生させることが出来ます。
《神域到達》を起こしたPCの頭上には輪が出現し、現世から逸脱して全ての並行世界を俯瞰する高次元存在――《エーアスト》の一人となります。
《エーアスト》となった瞬間、セッション中に描かれていた並行世界のあらゆる法則が捻じ曲げられて願望が成就した世界へと変異すると共に、自らが女神の如き存在と化したことを直感的に悟ります。
(その描写が難しい場合、<黒のシュヴェーアト>が真実を説明する形でも構いません。)
その後、PCは女神として世界を見守り続けても良いし、自分の願いが叶った世界で人間のフリをして暮らしても構いません。
別の並行世界に行ってみたりしても構いません。
但し、世界の人々は《心輝者》も含め、そのPCが《エーアスト》として昇華された記憶を保持出来ません。(「そのような《心輝者》がかつて居た気がする」という記憶は保持出来ます。)
よって、《エーアスト》は作中世界の人物にとっては未知の存在となります。但し、同じ《エーアスト》だけはその存在を認識し、接触、会話、戦闘などを行うことが出来ます。
《神域到達》を起こしたPCはもはや人間でも《心輝者》でもないため「キャラクターロスト」となり、以降はセッションでPCとして使用することが出来なくなります。
後に出来ることは、その生き様を語り継いで楽しむことだけです。(或いはNPCとして何らかの形でシナリオに登場させるのも良いかも知れません。)
同じ並行世界で同時に二人以上が《神域到達》を起こそうとした場合、誰が願いを叶えるかは戦いで決めることになります。或いは、お互いの願いのすり合わせが可能であるならば、二人で《エーアスト》になってもよいでしょう。
また、シナリオ上で既にその並行世界を管理する《エーアスト》が居る設定にしても構いません。その場合、《神域到達》を起こした「挑戦者」は神の座に居る《エーアスト》を倒すか、神の座を譲ってもらう為の交渉を行う必要があります。
《神域到達》を起こしても《エーアスト》になれなかった場合、《心核》が10の状態でPCで在り続けます。
なお、以下の願いは例外的に《エーアスト》の力をもってしても即座に叶えることは出来ず、その後の努力が必要となります。
・《心輝者》の消滅。<黒のシュヴェーアト>を倒すことで成就出来る。或いは、人が絶望しない世界にすればその世界から《心輝者》は居なくなる。
・《眷属》の消滅。<黒のシュヴェーアト>を含む全ての《エーアスト》を倒すことで成就出来る。或いは「自ら世界を永遠に守り続け、他の並行世界の《眷属》の侵入を防ぐ」「人が絶望しない世界にして内部で《眷属》が生まれないようにする」の二つを徹底することで、その世界からは《眷属》を根絶させられる。
つまり《心輝者》と《眷属》という概念が直接的に関わる願望は実力で叶えるしかありません。これらは「《心輝者》が《心核》を集め続けた果てに《エーアスト》となり、願いが叶う」というシステムの更に上位の存在だからです。
これは《眷属》の根絶を求めている<黒のシュヴェーアト>がそれを成就出来ず、「《心輝者》に《眷属》を倒すよう求める」という遠回りな方法を取っていることからも明らかです。
6.リンクブーストについて
心の力によって戦う《心輝者》は、その心を支えるものである他者との絆、或いは他者への執着を更なる力に変えることが出来ます――それがどんな形の感情であれ。
セッション中、PCはいつでも、自身が保持している関係性の中でまだチェックが付いていない関係性にチェックを付けることで「リンクブースト」を行うことが出来ます。
これを行った場合、そのPCは山札からカードを1枚引きます。
これはあらゆる行動や出来事に対する割り込みで使用でき、あらゆる割り込みを受けず即座に処理されます。
但し、リンクブーストを使用出来るのはPC一人につき1パートに1回のみです。戦闘が発生した場合、そのパートで既に使用しているか否かに関わらず1ラウンドに1回だけ使用出来ます。そのパートにおいてまだ戦闘中にしか使用していない場合、戦闘終了後に1回使用することが出来ます。(つまり使用回数の制限は戦闘中とそれ以外で別枠となります。)