イントロダクション
「絶望を刃<マホウ>に変えて、希望を追い求めよ」
西暦1990年、世界は未曾有の大災害に見舞われました。
後に《崩壊の日》と呼ばれるようになったある日、平行世界から《眷属(アポステル)》と呼ばれる漆黒の怪物が無数に到来したのです。
《眷属》は本能のままに地球上の生物を蹂躙していきました。
災厄はそれだけに留まりません。《眷属》が平行世界からの侵入だけではなく、地球からも生まれるようになりました。
人間が深い絶望を抱えると、肉体が変異して理性を失い、かの怪物に成り果ててしまう地獄の如き世界と化したのです。
しかし、地球全土が彼らに支配されてしまうことはありませんでした。
絶望の淵に追い込まれた人間のうちのごく少数は、<黒のシュヴェーアト>を名乗る高次元存在によって《眷属》に対抗する力を与えられ、《心輝者(ブレイザー)》と呼ばれる異能者として覚醒しました。
彼女たちは「《眷属》を一定数討伐すればあらゆる願いが叶う」という対価を<黒のシュヴェーアト>から提示されたことで、《眷属》の軍勢に対して果敢に立ち向かっていきました。
《心輝者》はその力を発揮すると可憐な衣装を身に纏うこと、全員が女性であることから、民衆の間で「魔法少女」とも呼ばれるようになったのでした。
――それから30年後の、2020年。
《心輝者》の数が増加していくにつれて、彼女たちは良くも悪くも多様になりました。
中には「民衆を《眷属》の脅威から救う」ということを一切考えず、自らの願いの成就だけを活動目的にしてしまっている者達も多く居ます。
そんな混沌とした世界の中で、《心輝者》たちは己の願いを、希望をかけて戦っていきます。
「魔法少女」の言葉のイメージ通り人々の幸せを守る《心輝者》であっても良いですが、願望成就の為に打算的に行動する《心輝者》であっても構いません。
どういった少女の生き様を織り成すかは、あなたの自由です。
『Schwert†Requiem RPG』ってどういうテーブルトークRPG?
・いわゆる「魔法少女モノ」です。但し、「魔法少女」という存在は表社会で周知されています。
・プレイヤーが作成・操作するキャラクター(以下PC)は「魔法少女」の俗称で呼ばれる《心輝者(ブレイザー)》という異能者です。
《心輝者》であるPCは基本的に「6歳~40歳の女性」となります。本作では原則、男性キャラクターは使用出来ません。(参加者の合意次第で例外的な遊び方も可能。)
・舞台は現実の現代風ですが、半数近くの国が《眷属(アポステル)》と呼ばれる暴力的で知性のない怪物によって支配されています。まだあまり大規模な被害を受けていない日本が主な舞台となります。
・《心輝者》の目的は、《眷属》を討伐していき、自らの願いを叶えることです。他の《心輝者》の命を奪うことによっても同様に願いの成就に近づきます。(実際に他のプレイヤーとのバトルを推奨するかどうかはシナリオによります。)
・《心輝者》は敵を倒すことだけではなく、絶望に近づいている人間と触れ合い、その心を癒やすことによっても願望成就に近づけます。