top of page
​プレイヤーキャラクター(以下PC)の作成

 PC達は、――多様な異能("特別性"と称される)が社会の影で横行する以外は――現代的な世界のもとで生きている。

 一般的な生活をしている者も居れば、何らかの秘密結社や政府機関等に属して、上層部の意向に従い活動していることもある。

 PCが他の者と一線を画すのは、《特異能力》という、異能の中でも、"本来ならばこの世界に有り得ざる力"を宿していることである。

 覚醒するきっかけは様々であるが、共通するのは"理想を望み、現実を破壊することを求めた"ということ。

 "変わる筈のないこの現実を、それでも変えたい"――状況がどんなものであれ、そう願った瞬間、彼らは世界法則を超越する。

 

1.PCのデータの構成要素について

1.1 能力値と技能

 PCの(異能を抜きにした)人間としての能力は、以下のような四つの能力値と、それぞれに属する技能で表現される。

 能力値は、それに属する技能で行動の成否の判定を行うときに加算する値になる。

 また技能は、判定を行う際に使用する。技能レベルは、その技能で判定を行う際の基本カード枚数である。

 なお、それぞれの能力値に属する技能の総称を、[能力値名]技能と呼ぶ。

 例えば【近接】【運動】【耐久】は、肉体技能と呼ぶ。

■肉体値

 肉体の強靭さや持久力を表す。

技能1【近接】:近接攻撃を行う際に必要となる技能。

技能2【運動】:過度な運動や、攻撃の回避を行う際に必要となる技能。

技能3【耐久】:攻撃をガードする際に必要となる技能。

■感覚値

 感覚の力や器用さを表す。

技能1【射撃】:射撃攻撃を行う際に必要となる技能。

技能2【感知】:何かの脅威や痕跡に直感的に気づく技能。

技能3【運転】:何らかの乗り物を、高いレベルで制御する技能。

■理力値

 理性や精神に関する能力の高さを表す。

技能1【思考】:魔術など、精神力を消耗する能力を使う際に必要となる技能。

技能2【意志】:精神への作用に対抗する際などに必要となる技能。

技能3【表現】:創作や言語表現など、イメージの表現を行う技能。

■社交値

 他人、あるいは社会に関わる能力の高さを表す。

技能1【交渉】:交渉を行う際に必要となる技能。

技能2【調達】:物品や資金を調達する際に必要となる技能。

技術3【知識】:多くの知識を持っていたり、知識を整理する能力を表す技能。

 

1.2 HPとMP

■HP

 生命力を表す。基本最大HPは<肉体値×3+50>

 物理攻撃をされると減少するほか、一部のスキルの使用コストになっている。

 キャラクターは、HPが0になった場合、気絶する。ただし、あらゆるキャラクターは、いつでも宣言するだけで、GMが許可するならば気絶状態のキャラクターを死亡させてもよい。

 ただしPCは、死亡した瞬間、《死殺》を行うことで、死亡状態を解除できる(詳細は「特異/崩壊率」の項参照)。

 なお、最大HPは、セッション中における肉体値の変化によって増減しない。

 

■MP

 精神力を表す。基本最大MPは<理力値×2+40>

 精神攻撃をされると減少するほか、多くのスキルの使用コストになっている。

 MPが0である間、<喪失>状態となり、著しくパラメータがダウンする。

 なお、最大MPは、セッション中における理力値の変化によって増減しない。

 

1.3 その他

■スピード

 ターン(行動順)が回ってくる速さ。<(感覚値+理力値)÷3+4>(以降、特に明記しなければ端数切捨て)

 また、1ラウンド中に行動できる量。

 なお、スピードは、セッション中における感覚値や理力値の変化によって増減しない。

 

■移動力

 一回の移動で、移動できる距離。<肉体値+【運動】レベル×2+5>

 なお、移動力は、セッション中における肉体値や【運動】レベルの変化によって増減しない。

 

■防御値

 HPダメージを受けたときに、それを軽減する値。

 初期値は0。

 ガード値とは異なる。

 

■ガード値

 ガードに成功したときに、ダメージを軽減する値。

 初期値は0。

 ダメージから防御値を減算した後、(ガードが成功している場合は)さらにガード値の分だけ減算する。

 

■装備

 攻撃に使用したり、何らかの修正を与えたりする物品。

 右手と左手に武器などを持てる他、防具を1つ、搭乗装備(乗り物)を1つ装備できる。

 また、非装備アイテムは幾らでも所持できる。

 なお、近接攻撃や射撃攻撃の際には、基本的には装備している武器を一つ選択するため、両手に武器を持っても、攻撃力は合計されない。

 

■資金

 装備などを購入するのに使用できる資金。初期値は<社交値×2+調達レベル×3>

 セッションが終わるたびに<社交値+調達レベル>回復する

 初期の資金で"初期装備"を購入する。

 初期装備は、最初から持っているアイテム(装備アイテムに限らず、その他のアイテムも含める)で、もし捨てたり破壊されたりしても、セッションが終わるたびに、持ち主の手元に回復する。

 ただし、消耗品については、初期の資金で購入したものもそうでなくても、消耗した分は回復しない。

 

※装備の専用化について

 所有している非専用化装備を二つ指定して、それらを合体(性能を合算)することで、自身にしか使用できない専用装備を作成できる。

 詳しくは、「アイテムの見方と関連ルール」の項を参照。

 

■モード

 そのキャラクターの流儀、あるいは性格傾向を示すもの。4つのスートに対応した属性に、8ポイントを振り分ける。

 一番ポイントの大きな属性(一つでない場合、最大属性の中から任意で選択)があなたの表出モードとなり、クリティカル札に影響する

 セッションを開始する度に再設定を行うことが出来る。

 ランダムで決定する場合、トランプをデッキの上から8枚捲り、捲れたスートに対応した属性にポイントを割り振っていくとよい。

 なお、これらの値は飽くまで相対値であり、絶対値ではないため、例えばワンドの属性が0であるからといって、一切行動力が無いという事にする必要性はない。

ワンド(クラブに対応) :決断力の度合いを示す。

性格傾向:正義感が強い。行動力がある。情熱的かつ外交的。攻撃的でもある。冷静さを欠き、長期的にものを見れない危険を孕んでいる。

ソード(スペードに対応):分析力の度合いを示す。

性格傾向:洗練されており、知的であり論理的。神経質で威圧的。権威や、或いは確立された価値観・目的を持っているが、其れに拘泥する余り、冷酷になることがある。

カップ(ハートに対応) :受容力の度合いを示す。

性格傾向:慈悲深く、包容力がある。感受性に溢れる。感情を理解できるが故に、感情に固執しやすい。繊細で、内向的であることがある。他者に依存しがち。

コイン(ダイヤに対応) :忍耐力の度合いを示す。

性格傾向:堅実であり、我慢強い。良くも悪くも地に足が着いていて、保守的に過ぎる余り、思考、行動共に停滞することがある。頭が固くなりがち。

2.PCのクラスとスキル

 PCは、幾つかあるクラスの中から三つを自由に選んで習得する。

このとき、同じクラスを複数取得しても問題ない。クラスを二種類以下に収めることで、キャラクター性との兼ね合いが取りやすくなる。

クラスによって能力値と、後述する《流出》が決定される。同じクラスを二つ取得している場合は、そのクラスの能力値を2倍してキャラクターの能力値に加え、三つ取得しているならば、3倍して能力値とする。

 クラスを決定する際には、一つ、軸となるクラスを決め、それを補完、或いは強化するように、残りの二クラスを取得すると良いだろう。またこの際、キャラクター性に大きく反映するのも軸となるクラスだけで良く、他の補助的に選択したクラスはあまり気にしなくてよい。

 例えば、「惟神に所属する、神使いのキャラクターを作りたい」という時には、主なクラスを惟神にし、他の二クラスでは、能力値との兼ね合い等から識術師や境界術師等を選択することになるだろう。この時、キャラクターとして重要なのは「惟神であること」なので、識術師や境界術師のクラスを取得しているからといって、そのキャラクターが識術師であったり、境界術師であったりする必要はない。

 勿論、「識術と数理魔術(双方共に魔術の一種)を組み合わせた独自の魔術を操る、学会所属の魔術師」を識術師と数理術師のクラスで表現するなど、複数のクラスからキャラクター性を構成してもよい。

 

3.PCの初期作成の仕方(選択構築)

 1:クラスの選択を行って、それぞれの能力値を合計する。その後、選択したクラスに対応している《流出》の中から二つ選択し、取得する(一種類しか選択肢が無い場合は、それを二つ取得する)。さらに、《拡大法則》、《殲滅法則》、《法則解消》、《確定法則》、《遮断法則》、《虚空法則》、《再演法則》の中から一つだけ選んで取得する。

 2:3点を、能力値に好きなように振り分けて加算する。ただし、振り分けたことによって、15を超える能力値が現れる場合、そのようには振り分けられない。

 3:【知識】か【交渉】を1レベル習得する。その後、技能5レベル分を、好きなように振り分ける。但し、3レベル以上になる技能があってはならない

 4:《存在統制》および、自分の選んだクラスの自動取得スキルをそれぞれ1レベルだけ取得する。クラスが重なっている場合でも1レベルでしか取得せず、代わりに重なった数だけ、次のステップで習得できるスキルレベルが増える。

 5:自らの取得したクラスのスキルかまたは一般スキルから、6レベル分(あるいは7、8レベル分)のスキルを習得する。但し、4レベル以上になるスキルがあってはならない。また、スキルの効果の適用によって、何らかの能力値が0以下になるような場合、そのスキルを習得することは出来ない。

 6:一般スキルを1レベル分取得する。

 7:最大HPと最大MP、スピード、移動力、資金を決定する。なお、特にスキルの方に記述が無い限り、常時適用のスキルの効果や装備アイテム等による能力値・技能レベルの増減を無視して計算する(タイミングがキャラメイク時のスキルによる上昇は、計算に含める)。

 8:資金によって初期装備を購入する。このとき、「携帯電話」一つは自動で取得される。

 9:モードを決定する。

10:キャラクターの経歴欄や関係欄など、キャラクターのパーソナリティを任意に決定する。必要であれば、左メニューの経歴表・関係表を参考にして決定するとよい。また、関係欄は、1つ以上記述があると良い。これは「人間」関係に限らず、何らかの物品や概念、或いは価値観や信念に対する執着などを記述してもよい。

 

■自由構築

 ここでは、技能やスキルの取得等を、より自由に行ってPCを初期作成する方法である「自由構築」を紹介する。

 プレイヤーは、上記の「3.PCの初期作成の仕方」で示した「選択構築」の方法ではなく、以下の手順(自由構築)によってPCを初期作成してもよい。

 1:選択構築の手順1を行う。

 2:【知識】か【交渉】を1レベル習得し、《存在統制》を取得する。

 3:キャラクター作成用に130点の経験点が与えられる。この経験点を用いて、能力値や技能レベルの上昇、スキルの取得、スキルレベルの上昇を、「キャラクターの成長」の項目にて示す、経験点によるキャラクター成長の方法と同様の方法により行う。ここで使われなかった経験点は、キャラクター作成終了時に即座に消滅する。なお、この段階で、技能レベルが4以上であるような技能があってはならない(なお、スキルレベルに制限はない)

 4:選択構築の手順7~10を行う。

bottom of page