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​プレイヤー用ファイル(シート類)

​キャラクターシートは、新しくキャラクターを作成する際に使用する。

記録シートは、1セッションごとに用意し、セッション終了時にプレイヤーが獲得した経験点を記録する。

スキルシートは、キャラクターシートではスキル記入欄が足りない時に用いる。

サンプルキャラクター

 ここでは、既にキャラクターデータが完成されているサンプルキャラクターを紹介する。これらは、名前、経歴、モード、関係等のキャラクター設定を自由に付け加え、所有アイテムの名称を適宜変更するだけで、すぐにセッションに使用できる。勿論、スキルや装備などに手を加えて使用するのもよい。

 また、このページで示している、各サンプルキャラクターの設定も、飽くまで一例であるため、自由に変更してよい。

 なお、以下のサンプルキャラクターは全て、(自由構築ではなく)選択構築の方法で、技能やスキル等を取得している。

サンプルキャラクター1:法則を選択する者

 君には、護りたいものがある。しかし、――少し前までは――単なる高校生だった君は、その意志を遂行するには余りにも脆い存在であり、その事を気に病んだ事も、一度や二度ではない。

 それでも、大切にしているものが失われようとした時、易々と諦めて、その結果を受け入れる事なんて出来なかった。そういう意味で、元々君には"素養"があった。

 そして、望まない結末を、運命を、現実を、世界を、全てを否定した瞬間、君は、世界の法則を超越した力を手に入れる。

 だが、君はまだ、実感を持ってはいない。

 "護る"とは、どういう事か。

 "世界を超える"とは、どういう事か。

 大切なものに出会い、尚且つ、それを護ろうとする事が出来るほどの力を手にしてしまったが為に、諦められない呪いを受けた君は、真に"どちら側"に立つかの選択をせねばならない。

 世界を救うために、少数の犠牲から目を背けるか。

 それとも、世界を犠牲にして、ごく少数の大切な存在を取るか――。

サンプルキャラクター2:魔術への接触者

 その偶然は、君の人生を反転させる程に、大きな出来事であった。

 ああ確かに、普通の学生として、友人と会話したり、遊んだり、テストの結果に一喜一憂したりだとか、そんな生活も悪くは無かった。しかし君は、至極直感的に、ありふれた日常への違和感を持っていた。「何かが違う」、と。

 だからであろうか、君が、血塗れになったスマートフォンを見つけ、逸る心を抑えきれずに、興味本位でその中身を覗いてしまったのは。

 "社会の表側"に対して、"自分の本来の居場所はここじゃない"と薄々感じていた君には、既に"素養"があったのだった。

 現在の、ある時は学生として生活し、ある時は魔術学会の知り合いに、魔術の教えを乞うという在り方は、真に、君に生きる実感を与えるものだ。

 全力で護りたいもの? 他の全てを懸けても貫きたい想い? 無くてはいけないのだろうか? そんなもの、後から幾らでも付いてくるだろう。

 だから、そうだな――とりあえず今は、人知れぬ英雄の真似事でもしておこうか。

サンプルキャラクター3:境界の担い手

 物心つく前から"彼方側"の人間であった君は、何事にも適切な境界が敷かれていなければ、その存在と保てないと考えている。

 それは、同じく境界術師であった親に、幼い頃から叩き込まれてきた重要事項であり、実感を伴って理解している事でもある。

「境目」の探求をしていくうちに、「世界の境界」へと突き当たり、ついにはその禁忌を超えてしまった君の力の前では、物事の境は、容易に崩れてしまうから。

 現在は、志を同じにしていると思われる、魔術界隈の最大勢力、魔術学会に身を置き、護られるべき、"表側"との境界の守護に努めている。

 それは多分、単に正義感だとかそういったものではなく、其れが失われることの恐ろしさを、身をもって感じているからだ。

 だから、もし"自分達の側"の存在が、隔てられているべき"表側"を侵犯し、破壊しようというのなら、君は其れを許さないだろう。

 境界操作によって、世界の外側の虚無な領域であり、君にとっては「万能収容空間」である、虚数領域との接続を行い、自身の得物を取り出して、侵犯者を裁く。

 境界を侵す力で、境界を護るのが君の在り方だ。

サンプルキャラクター4:斑鳩の鬼神

 君は、今では全国に広く拡散した、神領家特有の、秘術の根源となる血を継いだ者の中でも、かなり本家に近い血筋の者だ。

 より濃く"神領の異能の血"を引き継ぎやすい、女性として生まれた君は、その瞬間から力を有する事を期待され、そして、"裏の神領"、即ち、斑鳩機関の戦力となる事を期待されていた。

 異能の力で日本を守護することを目指す斑鳩機関は、ある種の暗殺組織のような側面も持っている。その為、君は幼い頃から、学校等の"表側"では、"世間知らずな御嬢様"として振る舞いながらも、裏ではひたすら武術や秘術の鍛錬を続けていた。

 君は、自身の在り方に、そして自身が帰属する斑鳩機関の在り方に自信を持っている。だから、家訓に縛られることを厭い、逃げていった連中の事なんて、理解は出来ない。何故、生まれた瞬間に与えられた、"神領の血"という、あるべき存在理由を否定し、自らを混乱と喧騒の渦中に投げ出すのだろうか?

 今日も学校での生活を終えた君は、一家の住む屋敷に戻ると、斑鳩機関としての長である少女が、君に通達を与えた。"暗躍する外法の者を狩れ"、と。

 君は早速、巫女装束のようにも見える、斑鳩機関の女子専用の戦闘装束を纏い、人目にありながらも人目につかない、社会の裏側を疾駆する。

 "人々を護れ。皆を護れ。国を護れ。在るべきでない者を排除しろ"。それは君が、命に代えても貫きたいと思う意思であり、存在理由でもある。

サンプルキャラクター5:天砕きの逸脱者

 君は、昔から、世間を醒めた目で見ていた。"やることなすこと全てが上手くいく"と表現できるような、あらゆる才能を持って生まれた君であったが、それを活かして、世間の流れに身を任せる形で貢献しよう等とは微塵にも思わない。およそ、そういったものに人並の関心が持てないのだ。

 もしかしたら、いつまでも愚行を続け、潰し合っていずれは消滅する人類種そのものを見限っていたのかもしれない。

 そんな君は、必然的に、東岸定理という少女に出会う事となる。

 君に接触してきた彼女は、君の中で燻っている、超越の力を引き出した。同時に、"その危険な力の使い方は、よく考えなければならない"という事も述べて。

 あまりにも常識外の出来事であったが、君は、、自身でも不思議なことに、それを至って自然に受け入れていた。

 むしろ、感謝すらしている。自身を、"彼方側"に引き上げてくれた事に対して。

 だから、ちょっと位は、彼女のお願いを聞いてあげる事にしようと思った。まだ使い慣れていない力だし。

 別に、人間を救おうだなんてもっともらしい事を思うことはないけれど、彼女に咎められない範囲で、他の"外れた連中"と関わったり、場合によっては戦ったりする事が出来るのは、君にとっては十分に魅力的であった。

 そう、こんなものは所詮、ゲームみたいなものなのだから。人生など、何を真面目に生きて、真面目に苦しむ必要があるのだろうか?

 常識――皆が揃って見上げている天空――なんて、ブチ壊して、望む形に変えてしまえばいいのだ。

サンプルキャラクター6:世界を越えた影纏い

 吸血鬼。外見上は単なる少女である君は、この世界では、そう呼ばれる存在に分類される生物だ。

 この世界に来たのは、君の意思ではない。こちら側のごく一部の人間が抱えた、「君のような存在は実在する」という思考が、元の世界の概念の壁を貫通して、君を強制的に引き摺り込んだのだ。

 無益な争いは望まないにも関わらず、その性質故に、元の世界では疎まれていた君だが、それでも"自身の生活"というものがあったから、訳も分からずに世界観を移動させられた君は困惑し、腹を立てて、時には、隠れて本当に人を殺してしまったかもしれない。

 だが、それは昔の話だ。

 自分と同じく、人の姿をしていながらも、何処かこの世界から剥離しているような感じがする、ある少女は、君がこの世界に居る理由と共に、言っていた。

 "君には、私と同じく、この世界でヒトのふりをして生きる才能がある"、と。それは事実だった。そして今では、そうする事に慣れてもいる。

 君は案外、今の生活も悪くないものだと感じている。君のような存在を追い立てる事にしか能が無かった、元の世界の人類と比べ、この世界の人間は、多様で面白いし、興味深い娯楽だってたくさんある。

 それでもやはり、今の生活を破壊しようとする連中は居るもので、君はそういった、"逸脱した存在であろうとも、自身の在り方を社会に合わせようとしなかった、過去の自分"にも似た連中を、赦す気にはなれない。そんな連中が暗躍している事を知ったのであれば君は、吸血鬼としての牙を剥くことになるだろう。

 君の持つ日傘は、術によって硬度と切断性を帯び、君の落す影は、敵対者を喰らう使徒となろう。

 一度世界を越えた君は、もはや"銀の弾丸"程度で、止められはしない。

サンプルキャラクター7:世界を越えた影纏い

 幼い頃から、自分の身を自分で守らねばならない環境に在った。

 しかし、腕力も無ければ優れた武器使用能力も無い、そんな君が身につけた武器は、詐術。

 その言葉は刃となって敵の心を刻み、その振る舞いはあたかも、君を強大な怪物であるかのように幻視させる。

 敵は君の何たるかを掴めないのに、君には敵の思考が手に取るように分かる。

 やがてその特殊な才能に一目置かれ、魔術学会の任務執行者としての立場を得たが、自らを偽り続けた君は、いつしか「自分」というものを忘れていた。

 そこから生まれた絶望が、君に「本物を求める」ための、特異の力を与えた。

 そして今日も、形なき刃で処分対象を屠り、その在り方を奪い去りながら、思うのだ。

「また何も感じられなかった。つまらない敵だ」、と。

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