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NPC解説
■東岸定理(とうぎし・ていり)

性別:女 年齢:16? 種別:特異存在

モード:ワンド3/ソード5/カップ0/ダイヤ0

 櫻岡市郊外の、東岸家の屋敷に住まう少女。黒髪ロングで貧乳。数学と煎餅が好き。

 櫻岡市内の高等学校、市立櫻岡高等学校2年の生徒でもある。クールな雰囲気だが、意外と短気で、わりとすぐに怒る。

 平凡な高校である櫻岡高校では持て余す程に優秀な生徒であり、"何故ここに居るのか"を、他の生徒どころか教師にまで疑問視されている。

 存在そのものが例外であるかのように、非常に強力な"特別性"を持っているが、何故か、自ら戦おうとはしない。

 《特異》という概念や、世界がどの様に成り立っているかの知識を広めた少女でもある。特異能力に目覚めた者は、多くの場合、彼女からの接触を受け、導かれることとなる。

 世界を守るため、世界の敵と言える《特異》(特異能力者+特異存在)の管理を目指している。理解のある者には協力を要請し、そうでない危険な《特異》は排除しようとする。

​ 彼女自身やその協力者の殆どが特異能力者や特異存在である為、その有り様は「特異を狩る特異たち」と言えよう。

 

 その実、彼女は特異存在の中でも、最も例外的な存在である。

 彼女は創造主「空乃詩」の友人である東岸愛理(とうぎし・あいり)という少女の意思を《アズ・リアル》に直接反映するための存在であるが、しかしそれ故に「あまりにも特異すぎる」ため、積極的に能力を振るうことが出来ないでいる。幸い、高度な能力と、世界や自己への正しい認識を有しているため、「何もしなくても世界が壊れる」という事は回避している。しかし、彼女がそれを怠り、全力で行動を行えば、簡単に世界が崩れてしまう。とはいえ、彼女が「自身から動こうとしない」のには、単に「そうすると世界にダメージを与えるから」というだけではなく、しばしば何かを試すような態度を取るあたり、何らかの意図があるようにも見える。

 特異存在であり、根本的に人間と同一の価値観を有していないため、いかなる環境にあっても、彼女は常に独りである。

 

 見た目は16歳程度だが、非常に長生きしている。とはいえ、何らかの動きを見せ始めたのは近年であり、把握している範囲での特異能力覚醒者に接触し、それが危険な力であることを説明する一方で、非特異能力者に接触し、場合によっては対象者が追い込まれるような状況を作ることで、意図的に特異能力に覚醒させるという、不可解な行動を取ることもある。

 

  数理魔術の理論に特異能力を組み合わせ、次元に干渉できるようにした《演算》を用いる他、東岸背理が扱う《理想剣》には及ばないものの、大抵の《理装》をそれなりに扱うことが出来る。また、《死殺》を可能とする。《演算》の一環である次元シフト術式を用いることで、あらゆる攻撃を回避する事も可能としている。

 

「大丈夫よ、私は"確率の空《プロバビリティスカイ》"を、この世界を守るわ。何を犠牲にしてでも」

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■染井芳乃(そめい・よしの)

性別:女 年齢:16 種別:人間/一般

モード:ワンド0/ソード1/カップ5/ダイヤ2

 桃色の髪をツインテールにしている事の多い女の子。

 市立櫻岡高等学校2年生であり、級長を務めている。

 面倒見が良く、誰とでも平等に接し、しかも美少女であるため、人気者である。

 クラスの級長を任されており、誰が出席していないかを常に把握している。

 成績も"真人間の中では"最優秀であり、運動はあまり得意ではないものの、積極的に参加しているため、そちらの面でも幾らか高い評価を得ている。

 一般人とはかけ離れているレベルで「良い子」だが、正真正銘の「普通の人」であり、何らかの特別性は見られない。

 

「自分の事を"価値が無い"だなんて思わないで欲しいな。そう思ってない人はいっぱい居る筈だよ。ここにも一人居るし、ね?」

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■メリア・フランシール

性別:女 年齢:25前後? 種別:人間/魔術師

モード:ワンド0/ソード2/カップ3/ダイヤ3

 長い金髪の女性。学会中枢十八席の第三席を頂く、境界魔術の長にして、最強の境界魔術師。

 実年齢は、少なくとも百歳を超える。

 理知的かつ柔和な女性で、既婚者。

 若い娘が居ることから、特に若者に対しては親身な態度を取ることが多い。

 アルバートに執心されていることに気づいているが、彼女は貞淑な人妻であるため、それに応えることはなく、飽くまで彼のことは「可愛い部下であり弟子」としてしか見てない。

 人格破綻者の多い魔術の界隈にあって、非常に真っ当な感性を有している。

 しかし、魔術学会の「一般社会と魔術社会の境界を保つ」という理念を遵守する為ならば、冷徹になれるという一面も持っている。

 魔術学会が現在の姿になるにあたって多大な貢献をした人物であり、現在の理念を掲げることになったのも、元々は彼女の意思であるため、その影響力は、姿を現さない第一席を除けば最大級である。

 高い技量と人間性、学会内の地位を併せ持っていることから、非常に求心力のある女性ではあるものの、魔術師でありながら、魔術師を統制することを目指しているため、敵対的な態度を取る魔術師も、学会内外問わず数多い。

 

「境界魔術の長たるもの、”こちら側”の方々を”あちら側”に付き合わせる責務がありましょう」

■アルバート・ブレイズワース

性別:男 年齢:25 種別:人間/魔術師

モード:ワンド1/ソード3/カップ1/ダイヤ3

 金髪の男性。

 魔術学会中枢十八席全体の指示に沿って動いたり、それを伝達する、メッセンジャー的な立場になっている。

 そうして、人間性に少々疑問を抱くレベルで癖のある連中が多い十八席に振り回されている為か、いつも疲れたような顔をしている。

 生真面目な性格で、また見た目が良く、可愛げもある。その為、「年下」が好きな、境界魔術の長のメリアや、いかにも無垢な少女といった見た目をしながらも男漁りを好む、記憶魔術の長のニコラには、よくオモチャにされている。

 彼自身は、高度なレベルの境界魔術を扱う魔術師であり、メリア・フランシールには、敬愛を通り越して、心酔すらしているところがある。彼女の「"自分達の側"と、社会の表側には、一定の境界が無くてはならない」という考えに賛同しているため、現在の社会のあり方を保全する為ならばと、積極的に活動している。その性質上、《神殿》の事は特に憎んでいる。

 自覚は無いが、若干マゾヒストの気があり、メリアのような女性にこき使われる事に陶酔している。

 

「今回の件は、出来れば早急に解決して下さい。でないと私が怒鳴られ……じゃなくて、一般市民に被害が出ないとも限りませんので」

■神領烈花(じんりょう・れっか)

性別:女 年齢:150以上 種別:人間/神領

モード:ワンド0/ソード0/カップ6/ダイヤ2

 黒髪ツインテールの女の子。大きな胸と、おっとりした性格の所為か、見た目15歳程度の、小柄で童顔な少女なのにも関わらず、妙に母性が感じられる。

 また、いつも巫女装束を着ているので、街を歩いていると非常に目立つ。

 

 その正体は、神領本家に属しており、同時に《斑鳩機関》最高クラスの戦力にもなっている者である。

 神領の血に宿った秘術を使いこなす他、《斑鳩法》に関しては、彼女程に熟達させた者はいないとされるほどに極めている。

 それ以上に彼女を、特別な家系の中でも一際特別にさせているのは、二つの《特異》を有しているということにある。

 一つ目は特異武装、《託宣》で、「直後には、こうなっていたい」という望みを入力することで、それを実現する為の動作を、未来視の形で返すものである。

 二つ目が特異能力、《絶対的恒常性》で、これにより烈花は自身の身体の成長を止めている他、腕を吹き飛ばされてもすぐに再生する程の回復力を実現している。

 これによって、烈花は少なくとも明治時代より前から生き続けている。

 もっとも、烈花や彼女の周囲の者は、これら二つを《特異》としてではなく、"神の与えた、新たなる力"として認識している。その様な認識故に、烈花はこれらの《特異》を行使し、戦闘を終えた後に、代償行為として必ず自慰をしている。

 それらが世界を壊しうる力であることも直感により理解しているが、敵を殲滅するために利用するのに、躊躇いはない。そんな彼女が実際に多くの"排除すべき者"を殲滅している点を、東岸定理は評価しており、烈花の存在を黙認している。

 実績があることからも分かるように、普段はおっとりしていても戦闘中には一切の容赦をしない。

 

 単純に戦力としてのレベルの高さが認められている以上に、彼女が生きて子供を作り続けることで血の断絶防止に貢献しているため、神領家では高い発言力を持つ。

 家系内の誰よりも寛容な性格で、自身がかつて一般人との間に子を生したことから、こと恋愛に関してはオープンであるべきだと考えている。

 ひ孫の一人である神領神奈(-かな)とは特に仲が良く、様々な面において教えを与えている。

 なお、《特異》の行使能力は烈花に限るもので、成長を止められるのも彼女だけであるため、既に、端から見れば烈花が妹で神奈が姉の姉妹に見える程になっている。

 

 現在は、櫻岡市郊外に居を構えており、ひ孫でありながら弟子でもある神奈の育成に励みつつも、この地域周辺の斑鳩機関組織員の統括を行っている。

 

「戦いとは、殺し合いです。そこに遊び心など要りません。ですから……早く諦めて逃走しなければ、死にますよ」

■福羽聖司(ふくば・せいじ)

性別:男 年齢:29 種別:人間/惟神

モード:ワンド1/ソード3/カップ1/ダイヤ3

 少し長めに黒髪を伸ばした、細身な男性。

 惟神に所属している高官であり、実戦も一応は行えるが、どちらかといえば裏方の仕事を行うことが多い。

 軽薄そうな態度を取ることの多い男であり、わざと、見る者に自分を信用させないようにしている風にすら感じられる。

 《神性顕現》を用いることで、貴狐天王に相当する神性を顕現させている。其れは、いわゆる「狐耳」を有する少女の形で顕現されている為、一般人は、彼女を「コスプレ少女」という形で認識する事が出来るのだが、そのお陰で、しばしば、あらぬ誤解を受けている。彼女とは、「誰の呼び出しにも答えるクソビッチ」だの「幼女に手を出してそうな変態」だの、よく互いに罵り合っているが、決して仲が悪い訳ではない。

 人格に問題があるように見えるが、仕事はしっかりこなすタイプであり、組織内での発言力はある程度には高い。

 彼自身、「この国の民が変わらず生きていけること」を尊重したいと考えている。一方で、かつての神祇省や、旧来の惟神のように、極端な国家主義を有してはおらず、日本――というよりもむしろ、民にとって実益の無い排他・侵略・破壊的意思を厭う為、少なくとも彼自身は、他の組織へ、不必要に敵意を見せることはしない。

 曾祖母の福羽美鈴は、設立当初の惟神の統括者であり、組織を、国家主義に傾倒する方向に纏め上げた人物とされるが、彼自身は、それは美鈴自身の思惑ではなく、彼女の夫とされる鳴神六堂に唆された結果だと考えている。

 その為、公には死亡したとされるものの、未だに惟神への影響力を有している六堂および、彼の影響下にあり、従来の惟神の思想を有している旧態派には、私怨を含む敵意を抱いており、組織からの排斥を目論んでいる。

 

「時代錯誤な年寄りが幾ら騒いでようが、耳を傾ける価値なんて無いのさ。アイツらが喚いてる最中にも、着実に社会は壊されていってるんだから。まあ、俺達が偉そうな事を言えるもんでもねぇが」

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■六実合理(むつみ・あいり)

性別:女 年齢:26 種別:人間/特異能力者

モード:ワンド1/ソード4/カップ1/コイン2

 肩の高さより少し長い黒髪を伸ばし、眼鏡をかけた女性であり(東岸定理を成長させたような外見)、謎の多い環境局のトップ。

 環境局の発案者であり、「世界が知らぬ間に変異している」事を厚生労働省、気象庁、海外機関などと協力した多数のデータから証明し、2001年の省庁改変時に特別局を開設する旨をねじ込んだ。(但し、一般人にはこれらの不条理を観測・検証することが出来ないため、これらのデータは、上を納得させて活動可能な立場と資金を得るための、「世界には科学と常識では捉えられない不条理が存在する」といったことを証明する段階のものである。)

 その後も「1999年に起きた、集団心理による相互脳干渉が現実改変の錯覚を与えた事例」の実証など、膨大なデータを基にした研究報告書によって、局の存続を維持している天才。

 環境局が行動論拠とする「環境変異」の前触れ、形跡を察知できる唯一の存在であり、各調査命令は元をただせばすべて彼女個人から発しているが、ほとんどの職員がそれを知らない。

 

 その正体は、強力な異能者を輩出している東岸の家系から何者かが作り出したデッドコピーであり、表向きは「東岸家」とされてはいないものの、血統的な繋がりがある。

「六合」の理――すなわち、世界の理の名を冠する存在であり、「今の世界がどうあるか」を俯瞰する能力を持つ。

 これによって魔術や特異などによる現実改変を察知している。

 また、一般大衆の中心規範である「科学」を根拠とすることで、あらゆる魔術、異能を世界の公式なルールとして取り込んでしまう、「特異殺しの特異」を持つ。この力によって、彼女の前では、魔術や特異といった不条理は、解析可能、対処可能な「条理に拘束された」存在に堕することとなる。

 基本的に前線に出ることはなく、副局長の北見沢謙吾を通じて、局員に指示を出すに留まっているが、いざ交戦することとなれば、生半可な能力者では彼女の押し付ける「常識」に絡め取られ、分析され、対策され、「至って当たり前の方法」で排除されてしまうだろう。

 

「Q.E.F.……証明終了です。これこそが、私のなすべきこと」

■北見沢謙吾(きたみざわ・けんご)

性別:男 年齢:51 種別:人間

モード:ワンド1/ソード2/カップ2/コイン3

 小太りの中年男性。環境局の副局長。

 環境省本省から天下りした高級官僚であり、利権、金回りについて優れた才覚と欲求を持つ。

 局長である合理の方針や環境変異については一切の興味がなく、「国から環境省へ」「環境省から環境局へ」予算と利権をむしり取れるという、ただそれだけのために副局長の座におさまっている。

 金の亡者のような振る舞いをしており、周囲からも概ねそういった認識だが、その実「金で買えない一級の才能」(特に、六実合理のそれ)に対しては最大の敬意を密かにもっている。その為、彼女に対しては全くもって利権の為に仕えている、とも言い難い面がある。

 良くも悪くも一般人的であり、一つを理想を狂気的なまでに貫くような意志は毛頭ないが、政府高官として上手く立ち回れる「社会人的技能」に優れる。

 なお、人々の危機、異能の存在などを知識としては伝えられているが、彼にとっては「それが予算に繋がるか否か」だけが関心ごとである。

 局が請け負った事件を解決できなくても「行動実績」が残ればいいと思っており、末端職員には、「それらしくやったように見える事実」を持ってくるよう求めることもある。

 

「欲深い? 大いに結構。人間、俗物的な望みの一つや二つ抱えてこそだろう」

■四条五花(しじょう・いつか)

性別:女 年齢:27 種別:人間

モード:ワンド3/ソード1/カップ2/コイン2

 長い茶髪をポニーテールにしている女性。環境局戦闘技術顧問。

 環境局において「超常的案件に対応出来る免許」、通称「第二種」の取得を目指す職員や、取得済みの者に向け、実践的な戦闘技術を教授している。

 普段はひょうきんで可愛げがあり、ブラックなものも含めて冗談を言うことを好む女性だが、職員を死なせない為に地獄のような訓練メニューを課すことでも知られ、「殉職する前に訓練で死ぬ」と、冗談半分本気半分で言われることもある。

 

 現在でこそ、周囲からは優れた体術を重宝されることが多い彼女だが、幼い頃から多様な分野の学問への適性を見せており、最も得意とする人体力学以外に、生物学、医学、物理学、数学から、20カ国語を操る語学力、心理学、果てには音楽や絵画などの芸術に関する知見も持っている。

 決して、新たな概念を生み出す「天才」ではないが、既存の概念を吸収することにかけては尋常ならざる能力を持つ「秀才」。

 活動に戦闘行為を伴うことがある「第二種」取得職員の為に、これら現代科学の叡智を結集した理論に基づく体術「四条式実戦格闘術」を生み出した。

 これは、効率の良い呼吸法やエネルギーロスを最小にする身体駆動の方法といった基礎的な内容から、合理の能力である「俯瞰視覚」の「貸与」を受けた状態での戦闘技術や、環境局設置法において携帯が認可されている拳銃を併用した逮捕術などを総合的に盛り込んだものである。

 

 かつては海外で大学教授をしていた。周囲から何かと持ち上げられ、流され、知識を吸収することに励み続けた彼女だが、内心、「今在るものを究めることが出来ても、新しいものを生み出せない」自分に飽いていた。

 そんな中、ある機会に六実合理の目に留まり、引き抜かれる形で環境局入りとなる。

 合理は、彼女の「既存概念を再構成し、実質的に新しいものを生み出す」センスに気づいており、五花は「自分も知らなかった、自分の才能」を見出されることとなった。そのことで彼女に敬意を抱き、単に環境局職員であるということを越えた、個人的忠誠心に基いて合理を助けることを決意する。

 とはいえ、普段は合理にも軽口を叩くことが多い。

 また、どちらかといえば学者肌な彼女と、利権や立場に固執する北見沢謙吾は、合理に対して同じ感情を抱きながらも、互いに仲が良くない。

 

 

「君ら、絶対に死んじゃダメだからね。あのオヤジはどうでもいいけど、合理がメチャクチャ怒られるから!」

■東岸背理(とうぎし・はいり)

性別:女 年齢:16 種別:人間/特異能力者

モード:ワンド5/ソード3/カップ0/ダイヤ0

 東岸家の娘であり、東岸定理の妹。姉に比べると程よく背丈があり、スタイルの良い女の子。茶髪のセミロング。

 妹だが、姉と同じく、櫻岡高校の2年生。何に関してもそつなくこなし、学校内ではクールというか「近づき難いヤツ」に見られて浮いている姉と比べると、明るい性格であるため、比較的、人付き合いも有る。但し、彼女の明るさとは、「滑稽であること」でもなければ「他人に迎合すること」でもなく、自身に圧倒的な自信を持ち、そして自信に見合うだけのスペックを持っているが故の「遠慮の無さ」である。その為、好きな人間にはかなり好かれているが、嫌いな人間にはかなり本気で嫌われている。

 普段から、病的な程に「正しさ」に拘り、且つ、自身の正しさに確信を持っている。その為、曲がった事が許せず、虐め等の犯罪行為を見過ごせない、正義の女の子。

 意外と、ゲームとか、可愛いもの(女の子)が好き。

 

 東岸定理の妹であり、東岸家の娘であり、そして定理以外で、最もそれらの創造主の性が現れた存在でもあるため、特異存在ではないものの、非常に強力な特異能力を有している。

 彼女は、既知の概念の中では最強の《理装》である《理想剣》を、まるで「それを使うために生まれてきた」という程に、誰よりも上手く扱える。これは、「事象と事象の関連性を切断することで、あらゆる矛盾を、望むように世界に容認させる」というものであり、この能力を応用して、彼女は《死殺》の実現をはじめとする、あらゆる理想を叶えられる。

 (魔術やその他の能力ではなく)特異能力しか使えないが故に、その力を絶対視している。

「悪の根絶されたセカイ」を目指し、世界各地を回って自身の思う"悪"を冷酷に、傲慢に、根こそぎ狩り尽くす「正義のヒーロー」。

 

「普通の人は、もしあんたが何人かの一般人を救う為に殺人鬼を殺したのなら、いくら殺人鬼だろうが、それを"殺人"と考えるだろうね。でも、私は違う。普通に生きる人間達の為に、殺人鬼という"より程度の低い命"が犠牲になるというのは、"正義"という名の、在るべき摂理なんだ」

■鳴神六堂(なるかみ・ろくどう)

性別:男 年齢:124 種別:特異存在/惟神/魔術師

モード:ワンド2/ソード3/カップ0/ダイヤ3

 長身痩躯で、黒髪を短くしている男性。かつての大日本帝国陸軍将校の軍服・軍帽・外套という時代錯誤な服装に、生来の色白さと異様に鋭い眼光が相俟って、幽鬼を思わせるような姿をしている。

 外見は20代後半程度だが、実年齢は124歳にもなる。

 見た目通りの冷静さ、冷酷さを持ち、目的の為には手段を選ばないが、自らの掲げた目的には熱意を持っている。

 世界秩序の究極的な保全の為、世界の観測者である神を自ら創り出し、人間に「人生の筋書き」とも表現できる、明確な運命を与えるという、ある種の、管理された世界を作り出そうとしている。

 また、かつての惟神を掌握し、導いた人物でもある。

 過去に一度、肉体的には死亡しているが、概念的存在と化して、現在も、形を変えた惟神への一定の影響力を維持しつつ、目標の達成を狙っている。

 福羽聖司の曽祖父にあたるが、彼は、主義思想の対立、また、「六堂が、自身の曽祖母である福羽美鈴(ふくば・みすず)を、都合の良い方向に唆した」と考えていることから、六堂に対して敵意を抱いている。

 なお、実際には、美鈴は、自らの意志で六堂と共に道を歩んでいる。

 

 古くより古典的術法を継承してきた『妙神会』の生まれであるが、本来、妙神会の血筋において、男児に術師は生まれない筈であったため、妙神会から、表社会の名家である鳴神家へと移された。

 大正時代において、異能の類が現実に存在しているのを、その身を以って知っている者として、現代社会の拙さ、世界の不安定さに危機感を覚えた彼は、神秘が表社会から隔離されることを否定し、国家権力と結びつき、積極的に技術として活用する道を模索する。

 やがて士官学校に入り、帝国陸軍に所属することとなった。そして、将校の洗脳なども含む、表裏の手を尽くして、自らの影響力を高めていく。

 陸軍少佐(実際には、それ以上の影響力を持つ)として、魔術や呪術などの特別性に関する諜報や工作を専門とする、特務第カ号超力部隊を立案し、その指揮官となった。

 しかし、かつての惟神であるところの神祇省が執り、そして失敗した、”帝国国民の信仰を、神道における「神」に集中させることで、帝国の力を高め、世界の覇権を握らせる”という方法には限界があると感じ、世界秩序を安定させられるだけの、より強力な神を創造することを視野に入れるようになった。

 ある事件の際、当時はまだ設立したばかりであり、「神の創造」、即ち、《神性顕現》の実現はおろか、組織的にも纏まりのなかった惟神に取り入ることとなる。

 そして、神祇省における重要人物の養子であることを理由に惟神の組織統括者となったものの、実質的には「お飾り」であった、福羽美鈴という大人しい娘に近づき、彼女を組織の傀儡の立場から解放すると共に、惟神の中でも、自身や美鈴に迎合せず、特に有用でもない組織員達を粛清した。

 こうして惟神の実権を握り、やがて、現在用いられているところの《神性顕現》を完成させるに至った彼だが、十年後の戦闘により死亡。

 その後、惟神では、第二次世界大戦の終結から、幾らかの時間をかけて、時代に合わせた刷新が行われ始めたものの、六堂という存在が完全には消滅していない事から、未だに一枚岩とは言えない状態である。

 

「私は、私が為すべきと定めた道に従っている」

■彩雲彼岸(さいうん・ひがん)

性別:女 年齢:18 種別:人間/特異能力者

モード:ワンド1/ソード3/カップ1/コイン3

 

 少しウェーブのかかった金髪を持つ少女。

 フランス系日本人の設立した犯罪組織「彩雲組」の現組長であり、初代組長の末裔。

 あっけらかんとした性格で笑顔も可愛らしく、裏の顔さえ見せなければ、学校で友達に囲まれていてもおかしくはない。

 しかし、その「裏の顔」は、非常に残虐な組長であり、自身に逆らう者を容赦なく「薬漬け」にして廃人にすることで恐れられている。

 その人物像ゆえに「姿を見たら死を覚悟せよ」という意味で、裏社会では《シャノアール》(”黒猫”の意)の名で呼ばれることが多い。

 一方でカリスマ性も高く、親しみやすさと威厳、組の権威を高める実力を兼ね備えていることから、構成員の信頼が篤い。

 ただ、生まれつき「腐った人間」に囲まれて育ってきたことから、社会に対する不満と同時に、「所詮は世界などこんなものだ」という虚無感も抱えており、そういった諦観から紡がれた「善も悪も要らない、私以外の人間みんなぶっ壊れろ」という理想を抱いている。

 

 そんな彼女にとっての転機は、組の立場を保全するため、惟神旧態派と、「組の活動を黙認・支援する代わりに自身の力を貸す」契約を持ち込んだ時である。

 その際に、彼女の「利用価値」を見定める為に現れた六堂と対話をしたことで、「”たかが社会”だけを見てるんじゃない、本気で世界を変えようとしてる奴が居る」と気づき、彼に憧れるようになる。

 非常に胡散臭い少女であるため、旧態派内では概ね、利害関係での繋がりだと認識されているが、実際は熱烈な六堂の「ファン」であり、彼への執着はもはや、惟神に近づいた本来の目的以上の協力理由となっている。

 現在は、六堂の理想を達成するため、強かに、かつ出過ぎた杭にならないように注意しながら裏社会を暗躍している。

 

 戦闘においては、時代錯誤なレバーアクションライフルを使用する他、理想から生まれた《汚染》の特異能力を用いて、敵対者を薬漬けにする。

 軽度ならば「認識撹乱」の異能を使用したように見えるが、実際にはもっとおぞましいものであり、度合いを高めれば認識だけでなく、記憶も人格も破壊してしまう。

 そして、まさしく非合法薬物を投与されたかのように肉と骨が爛れて生気を失い、幻覚妄想や嘔吐感、疼痛頭痛に苛まれ、苦しみながら死ぬことになるという、相当にタチの悪い理装である。

 

「痛い? 苦しい? 気持ち悪い? 止めてほしい? じゃあ止めてあーげない♪ 残念でしたぁ」

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■金枝真名(かなえ・まな)

性別:女 年齢:27 種別:人間

モード:ワンド2/ソード2/カップ2/ダイヤ2(可変)

 長い茶髪の女性。

 制霊医療心理大学の理事長にして、研究機関《ホスピタル》の現所長。それだけでなく、社会の様々な界隈に顔が利き、政界にも影響力があるのではないかと噂されている程の人脈を持つ。

 若くしてそのような人間になったのは、高度な心理制御能力を有していることが理由であり、彼女の其れは、もはや洗脳であり、人格選択にも等しい。実際に彼女は、状況に応じて、百の名前に百の性格、百の雰囲気を使い分けている。しかし多くの場合、汎用性の観点から、柔和で優しげながらも妖艶な雰囲気を纏っている。

 その本質は、徹底的な求道者である。彼女は、「世界などというものは所詮、その者がどう捉えるかによって容易に変化する程度のものでしかない」という考えを重視しており、それを実証し、全てを心理的作用によって内側から支配する事を目論んでいる。

 一応は真人間であるのだが、精神ネットワーク上における自身のあり方を完全に制御できる為、魔術師や、特異能力者、というよりは東岸定理という存在にも気づいており、それらに興味を抱いている。

 社会の保持に関しては今のところ協力的だが、それは「人間を守るため」ではなく、人脈の構築や報酬の為である事が多い。

 

 彼女を知る魔術師には「魔術師殺し」と恐れられている程の、戦闘用心理操作術の使い手でもあり、心理的影響によって魔術師の意図を歪め、誤った魔術解決を行わせる事で自滅させる能力を持つ他、「心銃」という、精神を射殺する技も使用できる。

 

「申し訳ありませんが、頼まれては下さいませんか? 勿論、特別手当ては支給しますし、私で良ければ"お相手"致しますわ」

■零名(れいな)

性別:女 年齢:15 種別:人間/始原識能力者/特異能力者

モード:ワンド1/ソード2/カップ3/ダイヤ2

 色素が抜けかけた髪を伸ばしっぱなしにしている、病的なまでに華奢な少女。両脚を欠損している。

 インターネット上で、しばしばその存在を噂される情報屋。"満足いくまで自身と会話すること"を対価として、あらゆる情報を収集する。どのようにして行っているのかは謎だが、状況次第では、各国政府の機密情報から個人の感情、果てには"彼方側"、即ち、魔術や特異等によって常識を異とする者達に関する情報すらも仕入れる事がある。ただし、同じ人間の依頼は一度しか聞かない。

 パソコンやゲーム機等で埋め尽くされた狭苦しいマンションの一室で一人暮らしをしている。

 排尿をペットボトルに行う程に、動くことを嫌がる重度な引きこもりだが、他者と接するのを苦手とするという訳ではなく、むしろ饒舌な部類である。

 

 正体は、始原識能力者にして、特異を宿している存在。

 始原識《接続》を有して生まれた事から、生まれつき、他人と共感しすぎる性質を持っており、それはいつしか「読心」の域にまで達していた。

 その事から、悪意に対して過度に敏感になり、警戒心の強い少女に育つ。

 ただしそれまでは、天性の陽気さによって、傷つきながらも何とか居場所を確保していた。

 しかしある日、特異による精神侵食によって発狂した暴漢に襲われて脚を傷つけられる等の暴行を受けたことから、他人との接触を厭うようになり、家族からも距離を置いて、一人暮らしするようになる。

 

 始原識の顕現として、精神ネットワークを渡り歩く力を持っており、直接会ったことすらない他人の無意識にバックドアを仕掛けて、そこから思考や感覚・記憶・知識を盗聴することが出来る。その他、精神ネットワークを介して、他人に自身の幻影を見せることが出来る(幻影には脚がある)。なお、この能力の性質上、「誰も知らないこと」は知り得ないし、精神ネットワークからの断絶が甚大である者の思考を盗むことも出来ない。

 また、脚を失った後の混乱の最中で、「人を信じたくても信じられない」という葛藤の過程で思考が逸脱したことによって、「意味」を操る論理武装《意装(オーバーロード)》に覚醒している。

 これは、予め自身の思考に保有している「定義」を対象に付加することで、「新たな意味」を与えるという力である。

 例えば、「一定領域内の雨」に「触れたものを貫くもの」という意味を与えれば、それは殺戮兵器と化す。ただし、パラメータの調整を間違えると、重力に従って、地殻なども打ち抜いてしまうので注意が必要となる。

 定理から"生きていたいのなら無闇に特異を振るわないように"と、念を押されたことがあるため、彼女自身はこの力を戦闘には使おうとせず、もっぱらコンピュータの計算能力の向上やゲームでのチートに使う等、ごく局所的で、世界に影響を及ぼさない範囲で使うのみである。

 

 "他人と繋がること"に強く執着しており、他人を信じたいがために、その人間の全てを知りたがる。

 情報屋を始めたのもその為であり、依頼主と会話するのは、その人間と「会話」という形で接触することで、より完全な情報取得を行うためである。

 

 なお、「零名」は本名ではない。「自分が何であるか」を悟られることを酷く嫌うため、本名を名乗ることはない。

 

「ほら、言うだけならタダだよ。今度の定期テストの問題? それとも、キミの好きな娘が今日穿いてたパンツの色? キミは、ボクから何が知りたいの?」

■高嶺由奈香(たかみね・ゆなか)

性別:女 年齢:16 種別:人間/魔術師

モード:ワンド2/ソード2/カップ1/ダイヤ3

 長い茶髪の少女。市立櫻岡高等学校2年生。

 自他ともに認める「普通の人」であり、それなりに真面目で、それなりに成績も良く、性格的にも当たり障りの無さを極めたような存在。

 昔からそんな性質だったため、何となくで人並の生活を送ってきた。

 しかしそれ故に、「何者にもなれない自分は、何のために存在しているのだろうか」と悩むようになり、「普通でないこと」を望むようになった。

 そんな彼女に転機が訪れたのは高校1年生の時。何か不審な物音がした路地裏に、興味本位で入ってしまったが為に発見した、――デジタル魔術を実行する為のアプリケーションが導入された――血塗れのスマートフォンであった。

 その時、その元の持ち主を殺害した人物である、隻腕、隻眼の少女と出会い、彼女に襲われるも、間一髪のところで、境界魔術師のマリー・フランシールに救われる。そこで初めて、魔術が実在する事と、魔術学会の存在を知ったため、それからは、「普通の高校生」として生活する一方で、ある地下への階段に常設されている空間接続魔術によってたどり着ける魔術学会櫻岡支部に通い、魔術を研究するようになった。

 とはいえ、全くの偶然で魔術に出会ったに過ぎない彼女は、未だに、様々な意味での覚悟が決まっておらず、「何のために力を使えばいいのか」と迷っている。

 性格のキツいマリーとは、かえって「より本心から付き合える」という事で、それなりに仲の良い友人となっている。

 

「私って、誰からも期待を寄せられていないからさ。だから私は何も求められてなくて、何もする必要がない、そういうつまらない人間なんだ」

■アンファング

性別:女 年齢:? 種別:人間/魔術師/特異存在?

モード:ワンド6/ソード2/カップ0/ダイヤ0

 

 非常に長い銀髪の少女。見た目は少女だが、相当に長生きしている。

 魔術学会中枢十八席のうちの第一席を頂いている魔術師であり、識術の長。

 最初の魔術である識術を世界にもたらしたことから、魔術そのものの祖でもある。

 "発端"を意味するその名は、そういった性質故に持つようになった肩書き、すなわち識名であり、自身も常にその名を名乗っているため、本名は誰も知らない。

 学会どころか、公の場に滅多に姿を現さないことからも、その存在は半ば伝説的と化しており、多くの魔術師から、「最高位の魔術師」、「《無限光(アイン・ソフ・アウル)》への到達者」、「三次零」(《無限光》の象徴数が「000」であることから)、「神に愛された者」等と称され、崇拝に似た感情を抱かれている。

 しかし、その実態は、自己中心的かつ傲慢にして幼稚な性格であり、あらゆる意味において、何かに支配され、縛られることを厭う。

 世界の事は愛しているが、それは飽くまで「自身の居場所だから」なのであり、個々人の幸せなどに興味は無い。

 現在は何故か沈黙を保っているのが、社会にとっての救いと言える。

 魔術界隈の噂によれば、《狩猟者の剣》を筆頭とする複数の強力な魔術師によって、出身世界である《偽世界》に留置されているらしいが……。

 

「この世界なんて、所詮は私の遊び場でしかないの。好き勝手に世界を創った癖に、人間イジめて遊んでる神様とやらよりは余程マシだと思うけれど」

■落星幸 (おちぼし・さち)

性別:女 年齢:21 種別:人間/魔術師/特異能力者/始原識能力者

モード:ワンド3/ソード4/カップ0/ダイヤ1

 赤いメッシュ混じりの黒髪の女性。痩せた体つきにゴシックパンクを身に纏う様からは病的な印象を受ける。

 魔術学会に所属する魔術師であり、危険な現場で単独任務を行うことが多いエージェント。

 魔術名は"Anti Lucky(非幸)"。

 心理術、記憶魔術、境界魔術を混合させ「不幸の記憶」を用いる戦闘スタイルをとる。これは自身の不幸の記憶を相手に送り込む、不幸の転位などを行うことで相手を封殺するものである。

 

 彼女は所謂、強烈な不幸体質であり、その身はそこに在るだけで自身と周囲を不幸に巻き込んでいくものである。

 両親は事故で死に、その後の引き取り先からは虐待を受けた。施設に入れば施設は感染症で壊滅した。その度に自身も被害を受けるも生き残り続けてきた。

「死」以外の不幸を全てその身に受け、何度も自殺を試みたが彼女が死ぬことはなかった。無意識の《死殺》が彼女を生かし続けているのである。

 それからの彼女の人生はほぼ捨て鉢であり、どうしていても自身の不幸を防げないのならばと、暗い道を歩み始めた。

 あらかたの犯罪に手を染めた頃、己の生きる価値も分からないまま魔術学会の誘いにのり魔術師となる。

 彼女は微かな希望を胸に魔術を学んだが、魔術をもってしても不幸を抑えることは出来ず、むしろそれを利用して自身にしか出来ない戦闘スタイルを編み出すことになる。

 共に任務に着いた魔術師が戦闘不能ないしは死亡するため、学会の中でも孤立し、単独で危険任務にあたるようになる。

 

 そうして意味もなく学会の任務に参加する内に、彼女は一人の少女と出会った。

 少女は神を憎み、世界を壊そうとしていた。

 任務のため、少女の目論見を潰した幸であったが、その際にあることに気付く。

「悪いのは自分ではなく世界なのかもしれない。」「世界とは、神とは殺してしまってもよいのだ。」

 その任務以降、幸は魔術学会に隠れて少女と結託し、世界を殺す準備を始めている。

 

「あらぁ、こんな所で私と出会ってしまうなんて。貴方、運がなかったわねぇ…」

■リイチ・”エステル”・クラーク

性別:男 年齢:20 種別:人間/魔術師

モード:ワンド1/ソード2/カップ2/ダイヤ3

 丸縁眼鏡に黒髪の日系男性。学会中枢十八席のうちの第十六席を頂く、真語魔術の学派長であり、学派が所有する知識集積システム《図書館(ライブラリ)》を管理する、《図書館司書長(ライブラリアン)》。本人も真語術師である。

 見た目と実年齢が相応しない者が多い魔術師の中では珍しく、見た目通りの年齢。

 常に批判や嘲笑もどこ吹く風といった様子で、優しい笑みと穏健な態度をとっている、温厚な性格。

魔術的な出自背景をほぼ持たず、幼少期に偶然出会った魔術書から魔術の世界に入り込んだ『新参者』であるため、一部の魔術師からは軽蔑されている。

 

 リイチ本人の魔術的素養は決して高くはないが、《図書館》及び、先代学派長「エステル・ホワイト」との親和性が高く、エステル自身であるところの《図書館》が自ら選んだ唯一の司書である。結果として、図書館に収められたあらゆる知識および真語の閲覧検索を可能としており、たった「一言」で世界法則に影響を与えられるほどの真語の使い手となっている。

 

 現在の彼は《図書館》を通じ、《図書館》に遍在する『エステル・ホワイト』と融合状態にある。彼の思想理念思考のすべてがエステル・ホワイトによって浸食されている形となるが、リイチ本人はそれを喜んで受け入れている。そのため、エステルの『完全なる真語に至り、神様と友達になりたい』という願いを共有している。

 自ら――リイチかエステルか――がその域に到達する前に、「神様」と真語による世界秩序が崩壊することを可能な限り防ぎたいと考えているため、世界崩壊への対処に関しては協力的な立場をとる。

 しかし、《図書館》司書として、真語術師や他学派の魔術師からの「情報参照要請」に応じることで多忙であるため、自ら戦線に立つことは基本的にはない。

 

「話せば分かるよ。折角、僕たちは”言葉”が使えるんだから」

■エステル・ホワイト

性別:女 年齢:約50程度 種別:魔術師/特異存在

モード:ワンド3/ソード2/カップ2/ダイヤ1

 長い銀髪の少女。外見年齢は12~14歳ほどで、性格も相応に幼い。

 魔術学会中枢十八席の第十六席、真語魔術の「初代」学派長。《真なる言葉(トゥルーワード)》の魔術名を名乗ることを、敬意と畏怖を以って認められた、生まれつきの、ある種の天才にして、天災。

 彼女の語る言葉は、通常の言語とは全く異なる性質の「他の何よりも真語に近い言葉」であった。その為、彼女の言葉を常人は理解できず、ただの発話が真語魔術として作用し、現象改変を引き起こす様から、”口を開けば嵐が来る”とまで言われていた。

 そういった経験から内心、孤独を感じており、世界に存在する『真語』を究めることを目的とする「真語魔術」の道に進んだのちに、真語を用いた、神との対話を願うようになる。「きっとその人となら、思いっきり話せるだろう」、と。

 

 過去に、すべての真語を集める《図書館(ライブラリ)》を作ることを決意し、その類稀なる力を用いて、一夜にしてすべての真語術師から強制的に真語を「蒐集」した。

 境界魔術、数理魔術の学徒に協力を願い、あらゆる物理的空間から隔離され、あらゆる仮想空間にその敷地を広げている『独立多元空間電脳魔術図書館』を作り上げた。しかし、この偉業を成し遂げた反動によって、自らも《図書館》に一体化し、其れそのものとなってしまっている。

 現在の彼女は、現実において自らと接続可能な人物を探し出し、その人物と図書館をつなげることで現実世界に干渉している。

 いつか《図書館》が世界全ての真語を集積し、創造者への謁見が可能となる日を、ゆっくりと待っている。

 

「いつかこの言葉で、この世界を創った人と友達になりたいの――だから、お願い、力を貸して」

■ニコラ・ウィンスレット

性別:女 年齢:14? 種別:人間/魔術師

モード:ワンド3/ソード3/カップ1/ダイヤ1

 

 長い銀髪の少女。記憶魔術師であり、学会中枢十八席の第十席を頂く、記憶魔術の頂点に立つ使い手。

 見た目は14歳程度で、幼い容姿だが、魔術により成長速度を著しく低下させているため、実際には、その何倍かの年月を生きている。

 生まれた時から、物事を鮮明に記憶しすぎて、すぐに記憶が溢れてしまうという性質を持っていた。そのため、ほぼシームレスに脳内との記憶のやり取りが行える、高性能外部記憶装置としての機能を持たせたリボン型魔術アイテム「レミニセンス」を常に身に付けている。片腕に巻きつけたそれを、「もう一方の手で巻き取ること」を詠唱として魔術を行使する。

 一見クールな性格だが、記憶を鮮明に思い出せることから、かえって刹那的な実感に飢えており、また、記憶に関する、病的なまでの「蒐集癖」があるため、男性と「いかにも成人向け漫画でありそうな、わざとらしいプレイ」に興じたりして楽しむことが多い。それだけでなく、「記憶を集めるために」老若男女問わず性行為を行う、生粋の変態性欲者。

 学会中枢として為すべき事と、私事の区別が出来ていない訳ではないが、アルバートをはじめ、学会の組織員に手を出すことも少なくないため、少々問題視されている。

 かつて、興味本位で、アンファング率いる、旧・魔術学会の側に立ち、侵略行為に参加したことがある為、メリアから、あまり快く思われていない節がある。

 

「本当に大切な記憶は、頭の中に留めておくべきです。形にすればきっと、忘れてしまいますので」

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■プリムラ・アニマ

性別:女 年齢:11 種別:人間/魔術師

モード:ワンド3/ソード0/カップ4/ダイヤ1

 

 長い白髪を左右でまとめている、幼い少女。大人しく可愛らしい、人形のようにも見える女の子。愛称「プリム」。

 人と話すのが苦手であり、いつもペットであるライオンの陰に隠れている。(但し、魔術をエンチャントされたライオンである為、一般人には目視不可能。)

 魔術名《文明回帰(プリミーバル)》を持つ魔術師であり、魔術学会の戦闘部隊《終端に立つ者(ターミナス)》のNo.Ⅳ。

 一見、とても「戦いを極めた魔術師」には見えないが、その内心は人間に対する憎悪で渦巻いており、人を殺すことに躊躇いがない。

 辺境の生まれであり、かつてはその白い肌・白い髪を珍しがられ、監禁や性的虐待を受け続けていたが、そこを魔術師に保護される。

 魔術と共に言葉を覚え始めたのはそれからであり、未だに喋りは片言だが、一方で魔術に対しては類稀なる才能を発揮している。

 彼女の得意魔術は「動物との交信」であり、言語を用いて無数の動物と会話・使役可能な上、彼らを魔術によって強化することで攻撃に用いることも可能。

 基本的に人間嫌いだが、「殺して良い人間」と「殺してはいけない人間」の区別はつくようだ。

 

「……みんな……しんじゃえ……」

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■アマリア・シュロスシュタット

性別:女 年齢:12 種別:人間/魔術師/特異存在

モード:ワンド8/ソード0/カップ0/ダイヤ0

 

 金髪の少女。

 《偽世界》に住んでいる魔術師であり、偽世界政府直属の戦闘実働部隊《狩猟者の剣》(V∴G∴)のナンバーⅠにして、最強戦力。

 識名は"Zorn Strafe(断罪の怒り)"だが、"魔術師(メイガス)"の肩書きで呼ばれることが多い。魔術師に対して、あえて「魔術師」という肩書きを与する事は即ち、「彼女こそが真に魔術師であり、他のものは有象無象に過ぎない」事を意味している。実際に彼女は識術に関して、アンファング及び其れに匹敵する存在である、或る男に次ぐ実力者である。他の呼称は「メイガス・シュトラーフェ」、「魔術師アマリア」等。

 才能に恵まれている一方、性格面では、まともな人間の少ないV∴G∴の中でも屈指の不安定さであり、それが原因で、限界まで実力を発揮できる事が少なくなっている。非常にわがままかつ他人を信用しない性格であり、また、"戦闘"ではなく、一方的な殺戮を好む。そんな性質に由来するのが、彼女の使う砲撃魔術である。これは、「あらゆる隔たりを突破して、対象に命中する攻撃を放つ」というものであり、彼女の放った光弾は、どれだけ距離を置いても発射直後に命中し、防御行動を無視してダイレクトに対象にダメージを与え、全力で放とうものなら、時間すらも越えて、過去の時間軸における対象に命中する。回避も防御も出来ない為、大抵の魔術師は何も出来ずに屠られることになる。

 彼女の性格が捻じ曲がったのは、過去に、魔術師同士の戦いに巻き込まれて両親を失い、自身も火傷を負った右耳を切除した経験がある為である。かつては、両親に愛されて育った、優しい少女であった。

 魔術の才に恵まれてはいるが、その一件で、魔術師に対する憎悪を覚えさえしなければ、魔術を使ってまで何かを希求するような人間にはならなかった。

 根本的・精神的には「魔術師ではない」ため、彼女が自身の意識改革を行わなければ、持てる才能の全てを、安定的に発揮することは出来ない。

 

 現在では、しばしば偵察を名目として《アズ・リアル》に赴いては、魔術師などを殺害している。また、アンファングとは会った事があるようで、彼女の事を酷く嫌っており、彼女の創造物とも言える魔術学会を目の敵にしている。さらに、《偽世界》としては、いずれ利権の問題で争うことになるとはいえ、当面の目的は同じく「社会の掌握」である《神殿》に対して協力的であろうとしているが、あらゆる魔術師を嫌うアマリア個人は、敵意を剥き出しにしている。

 

「なんであたしが魔術師(メイガス)って呼ばれてるのかをさ、教えてあげるっ!」

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