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特異/崩壊率に関するルール

■特異能力

 PCは、意志の力によって世界の法則を捻じ曲げる異能、即ち《特異能力》を有する。その力がどんなもので、どのように使うものだと捉えているかはキャラクター性次第であり、自由に設定して構わない。

 但し、キャラクター設定はキャラクターデータに影響を及ぼさない。

 たとえばPCが「時間を跳躍する《特異能力》」を有しているということにしてもよいし、それを意識した戦闘演出などを行ってもよいが、ゲーム上可能なことは飽くまでルールで定義されていることとキャラクターシート上に記載されていることのみである。

​ だが、各キャラクターがどのような《特異能力》を有しているかはさておき、本ゲームにはPC=《特異能力》使いが共通で使用出来る、特殊な行動が存在する。

 ここでは、全てのPCが使用できる、特異能力を用いた3つの共通アクションのルールを説明する。

 なお、これらのアクションはスキルではないため、スキルを対象としたスキルなどの効果も受けない。

 

1.《死殺(オーバーライド)》

 存在しているものにとっては絶対的である、最も根本的なルール、"死"を破壊する行為。

 死亡した瞬間に宣言することで、その死亡を取り消し、HPとMPを、1回だけオープン1を行って公開された数値だけ回復し、即座に再起する。戦闘中ならば、即座に戦闘に復帰できる。

 何回でも使用できるが、これを行う度に崩壊率(後述)が[オープン2の合計値+40]だけ上昇する。

 

2.《流出(カルネージ)》

 自身の中に持つ「世界観」、即ち法則を、外界の空間に押し付け、既存の物理法則等を虐殺する能力。

 いわゆる"必殺技"に該当する。

 キャラクター作成時に三つ取得し、一度使用したものはセッション終了時まで使用できない。また、セッション開始前の準備段階で既存のキャラクターは、初期作成の方法に従って、《流出》を再選択することも出来る。

 

3.《視点分離》

 PCは、世界の外側に接続したり干渉したりといったことが可能となる《特異能力》を応用して、上位次元を経由し、自らの存在し得ない場所の様子を伺うことも出来る。

 パート中に宣言することで、自らのPCがそのパートに登場していなくても、(まるでPLがそのパートの描写を俯瞰して見ているように)そのパートで何が起こったかを知ることが出来る。(登場していても使用することは可能。)そうした場合、使用者は、例えば、本来は知り得ない、電子ロックされた扉の暗証番号や、敵対キャラクターの動向を盗み見したり、見た場面から、それが起こっている位置を推測したりする事が出来る。

 PCは、自身にそのような能力がある事をよく理解していて、意図的にそれを行ったという想定でも良いし、PC自身が意図しておらず、天啓のような形で、PCが非登場シーンの様子が頭に浮かんできたという想定でも良い。

 各PCは1シナリオに1回、崩壊率を10上昇させることで、これを行うことが出来る。

 但し、これを用いて見たパート・場所に、上位次元を観測する能力を有している者が登場している場合、視点分離を行っていることに気付かれる場合がある。

 なお、描写されているパートが、現在の時間軸からかけ離れている(回想であるか、または未来の出来事である)場合にも、無関係に、これを用いることが出来る。

 

 《視点分離》を適切なタイミングで使用しなければシナリオの進行が不可能になるか、あるいは難しくなるような場合、予め「使用想定回数」という形で、シナリオ開始前からGMが伝えておいたほうが良い。

 

■世界崩壊と崩壊率

《特異能力》を覚醒させたPCは、通常の法則下では有り得ざる行為を行うことができる。

 しかしそれは、世界の本来の法則を無視し、破壊する行為であり、これを行う度に世界が崩壊していく。

 特異能力がそのような危険な能力だということは、特異能力の何たるかを知識として知らずとも直感的に理解されることである。

 とはいえそれでも、この諸刃の剣に頼らざるを得ない程に強力な敵対異能者や世界外存在に立ち向かうことになるのが本ゲームである。

 本ゲームでは、世界に対するダメージの度合いを「崩壊率」という値で表現する。

 これはPCやNPCがコストに「崩壊率」を含む行動を行うたびに上昇する。或いは、何らかのシナリオ上の理由によっても上昇するだろう。

 崩壊率は、セッションの開始に伴って、0からカウントされていく。

 崩壊率は、プレイヤーの場合は自身の記録シートに、自身の行動によって上昇した崩壊率を記録する。GMは、PC以外のキャラクターやシナリオ上の理由によって上昇した崩壊率を、GM用記録シートに記録していく。

(可能であれば誰かが全ての崩壊率上昇を記録していると、現在の値が分かりやすいだろう。)

 世界に崩壊が起きたタイミング、即ち、後述する崩壊表を適用する時点で、各プレイヤーが記録している崩壊率上昇値および、GMが記録している崩壊率上昇値を合計し、その合計値に従って適用を行う。

 世界へ与える影響が僅かな特異性は、即座に世界が自動修正を行うため、崩壊率は上昇しない。しかし、上記で述べた三つのアクションのような強力な特異能力は、使用することで或る程度以上に大きな爪痕を世界へ残すため、崩壊率が上昇していく。

 どのような崩壊が起きるかは、崩壊率の値によって、後述する崩壊表で決められる。また、実際に崩壊が訪れるのは基本的にクライマックス・フェーズ終了時(エンディング開始前)であるが、シナリオによっては、ミドル・フェーズの途中などに崩壊の適用を行ってもよい。

 

▼崩壊表

 クライマックス・フェーズ終了時などに起こる世界崩壊の内容を決定する表。

 崩壊表の適用によって発生する崩壊は、世界から「最初からそんな概念は無かった」と否定されるものである。その為、特に記述のない限り、崩壊表の適用によって消失した内容は、PC等、特異性を有する者しか記憶しておらず、そうでない者達には、存在すらも忘れられてしまう。

 崩壊速度はある程度緩やかであるため、エンディング・フェーズでは、辛うじて対象に干渉することが可能である。

 また、GMが崩壊表の効果の対象になるNPCを指定する際には、崩壊への抵抗力が低い者、即ち、特異能力を持たないか、より弱い特異能力しか持っていない者を優先的に指定すると良い。

 或いは、緊張感を持たせるために、ランダムで決定してもよいし、場合によってはプレイヤーに選択させてもよい。PCが崩壊表の対象となる場合はランダムで選ぶとよいが、シナリオ展開を勘案してGMが選ぶなどしてもよい。

 なお特異存在(PCは除く)は、世界=《確率の空》が壊れていこうとも、元々その外側の存在であるため、基本的には崩壊表の適用の対象にすることは出来ない。

 

 GMとPLは、この崩壊表の適用結果を踏まえて、エンディングの演出を行うと良い。

 たとえば都市が消滅する場合、その旨をNPCがPCに伝える等して知らせる・気付かせると良い。

 或いはPCの友人が消滅する場合、エンディングでは、消えゆく友人との最期の会話を描写するのが良いだろう。いずれにせよ、GMは適宜、PLとエンディングの描写を相談すべきである。

​ なお、飽くまで大規模かつ明確な(PCにとって痛手となる)崩壊が崩壊表適用時に発生するだけであり、世界の崩壊は崩壊率が上昇した時点で始まっているので、「空の一部が欠ける」「シナリオ上特に重要ではない建造物が崩壊する」など、少しずつ世界に綻びが発生しているような演出を行うのもよいだろう。

 以下に、基本的な崩壊表を示す。

​ 通常はこれを用いるが、必要であれば自作するのもよい。

崩壊表.png
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