top of page
判定の方法

 PCが何らかの行動を行おうとした時、ゲームマスター(以下GM)は、それが成功するかどうかの判定を行わせてもよい。

 戦闘中、攻撃を行ったり、回避したりする際にも判定を行って成否を決定する。

 

1.山札の準備

 トランプを2デッキ用意して、ジョーカーも含め、それらを全て混ぜてシャッフルし、山札とする。

※山札に関する用語

オープンX:山札の上からX枚を公開する。その後、それらを捨て札に置く。

ドローX:山札の上からX枚を手札に加える。

リシャッフル:捨て札を全て山札に戻して切り直すこと。オープンXやドローXが行われている途中に山札が不足した場合、処理を中断してリシャッフルを行ってから再開する。

また、山札を見る行為を行っている時は、見ているカードを除いてリシャッフルを行い、処理を再開する。

 

※トランプの数値について

2~10はそのまま。J、Q、K、Aのカードの数値は10として扱う。

また、ジョーカーは使用者(手札から出したり、オープンXによって捲った者)の任意のスートの、任意のカードとして扱う。

但し、崩壊率コストによってジョーカーが公開された場合、任意のスートの10として扱う。

2.手札について

 プレイヤーやGMはセッション中、常に「手札」を持ち、自分の手札のカードを用いて判定を行う。

 プレイヤーはセッション開始時、ドロー5を行い、それを手札とする。(GMはこの時点ではドローしない。)

 手札はパート終了時、戦闘中におけるターン開始時、ドローを行うスキルなどによって増加する。

▼NPCの手札の運用について

 NPCは、基本的には、戦闘中以外は手札を保持しない。

 もし戦闘以外で判定を行う必要性が出てきた時は、その瞬間にドロー5を行って判定し、パート終了時に全て捨てる。

 戦闘が開始した場合には、GMは、[コントロールする敵対キャラクターの数×5]ドローを行い、戦闘終了時には、同様に全て捨てる。

 各敵対キャラクターの能力の強さ等によって、ドローの枚数を増減させてもよい。

 

3.判定の手順

 判定は、手札のカードを用いて、以下の手順で行う。なお、基本的には、判定を行う直前には、その行為を成功させる為に必要な「目標値」をGMが宣言する。(場合によっては秘匿してもよい。)

 1:判定に使用される技能の宣言。使用技能は、行う行動の種類によってGMが指定する場合が多いが、プレイヤーが提案する事も出来る。

 2:判定直前に使用するスキルの宣言。

 3:指定した技能のレベルの枚数以下のカードを手札から出す。この際、技能レベルが0である場合も1枚はカードを出せるが、その場合は次の手順4において、能力値を半分として加算する。

 4:出されたカードの値を合計し、さらに使用された技能の属する能力値を加算し、「判定値」とする。

 5:判定直後に使用するスキルの宣言。

 6:スキルなどで判定値が増減し、値が確定する。

 判定値が目標値以上であればその行為は成功となり、未満であれば失敗する。

また判定において、手札が一枚もないときを除き、カードを手札から1枚も出さなかった場合、いかなる手段でも成功させることの出来ない、絶対失敗となる。

 

4.《限界突破》

 手札は、「そのキャラクターが思考の中に列挙している、選択肢の種類」を表現しており、その優劣を数値やスートの形で表現している。

 もし状況に追い詰められ、万策尽きた(=手札を使い果たした)ときには、最終的には思いつきや衝動に身を任せて行動することになる。それが、理性的状況判断の枠組みを超えた、《限界突破》であるが、当然、そのような行為には失敗がつきものなのである。

 

 判定時に手札枚数が足りない場合、《限界突破》を行うことができる(足りている場合は行えない)

 これは、足りない手札をオープンXで補うもので、公開されたカードは判定値に加算される。

 ただし、このオープンXで一枚でもJ,Q、K、Aのどれかが公開された場合、その判定は絶対失敗となる。

 例:

1:手札が1枚で、《近接》レベル2で判定。

2:手札が1枚しかないので1枚は手札からクラブのJを出し、もう1枚は《限界突破》でオープン1。

3:公開されたのが10なので、10+10。肉体値が5なので、判定値は25。

 

5.対抗判定

 何かの判定に対して行う判定。誰かが行った行動への対抗(リアクション)を行い、それが成功するかどうかを決める。

 攻撃側と回避側、攻撃側と防御側、追走側と逃走側など、二者の間で競い合うような状況のときに(対抗を挑んだ側に)発生する。

 二者間で判定値を比べあい、判定値が「能動側(行為を行った側)>受動側(対抗した側)」であるならば、能動側の勝利。

 能動側≦受動側であるならば、受動側の勝利となる。

 対抗判定の勝敗によって何が起こるかは、場合による。

 たとえば「敵対キャラクターの攻撃」に対する「回避」「ガード」は対抗判定であり、受動側が勝利することで攻撃を無効化したり威力を軽減したりといった恩恵が得られる。

 

6. クリティカル

 ごく稀に、状況と自らの行動が最高に噛み合う、最適の選択肢(=クリティカル札)を思いつく場合がある。これを選択し、使用した場合、その行動は最適解となる。

 

 《限界突破》を行わずに、判定で、自分の表出モードに適合するスートのA(クリティカル札)を1枚でも出した場合、クリティカルとなり、判定において絶対成功となる

 ただし、対抗判定において受動側もクリティカルである場合、受動側の勝利となる。

 表出モードが設定されていないNPCが判定を行う場合は、ジョーカーのみがクリティカル札となる。

 表出モードが設定されているNPC場合は、PCと同様に、適合スートのAをクリティカル札とする事も出来るが、その様な方法で戦闘中にクリティカルを行いたい場合、戦闘開始時に、事前にプレイヤーに表出モードを伝えていなければならず、それを行っていない場合や、その他戦闘以外のパートでの判定では、ジョーカーのみがクリティカル札となる。

 なお、判定値を参照する場合、絶対成功しているならば、本来の判定値に+30したものを判定値とする。(判定値がスキルの効果量に関わる場合などがある。)

 

7.絶対失敗

 《限界突破》などが原因となって判定に絶対失敗した場合、どのような判定値であっても、その判定は失敗する。それが対抗判定であるならば、受動側がどのような判定値を出しても(絶対失敗であっても)、受動側が勝利する。

 判定において、手札を出さないことによる絶対失敗が発生した場合、《流出》を含め、いかなる手段によっても、その失敗を覆すことは出来ない。また、もし対抗判定において、受動側が手札を出さないことにより絶対失敗した場合、能動側の勝利となる。

 なお、判定値を参照する場合、絶対失敗しているならば、判定値が0であるものとする。

 

▼判定の具体的な例

 PCの一人であり、識術師である天上滓花は、隠蔽された《神殿》の集会施設の一つを探し出そうとしている。それは、魔術師の目で見ても容易には探し当てられないため、見つけることが出来たかどうかは、判定によって決定する。

 GMは、探し出すための判定に用いる技能として、「研ぎ澄まされた感覚によって、魔術的隠蔽をも無視して対象物を発見する」という探し方を表す【感知】か、「丁寧に、何らかの"普通じゃない"痕跡を調べながら探していく」という探し方を表す【思考】のどちらかを提示した。

 プレイヤーはこの時、「このように調査するので、他の技能ではダメか」と提案する事も可能であるが、魔術師であり、【思考】レベルが高い天上滓花をコントロールしているプレイヤーにその必要は無かったので、【思考】によって探すことにした。

 調査対象は「魔術結社の施設であり、魔術的に隠蔽されている」ので、GMは、魔術学派系のクラスを持たないPCが【思考】で判定を行う場合、かなり難易度を上昇させようと考えていたが、天上滓花は識術師であり、魔術的痕跡を捜索することが出来るため、想定通りの難易度で判定を行うことになった。

 GMは、今回は目標値を先に宣言することにした。目標値は20である。

1:天上滓花のプレイヤーは改めて、【思考】で判定を行うことを宣言する。

2:【思考】レベルは2であり、手札は5枚有ったので、2枚、3と5を出す。

3:天上滓花の理力値は12であるため、12に、カードの数値の合計を足すと、判定値は20である。

4:既に目標値を達成しているため、特にスキルによる増減は行わない。

 天上滓花が行った判定の判定値は20であり、目標値を達成したため、何らかの現象を改竄した痕跡を、簡易的な探査魔術によって発見し、《神殿》の集会施設を突き止めることに成功した。

 

※判定の難易度

 PCが行おうとしている行動の難しさに従って、以下のような目標値を用いるとよい。

  • とても簡単な行為  :目標値10~15

  • 標準的な難易度の行為:目標値16~20

  • 少し難しい行為   :目標値21~25

  • 非常に難しい行為  :目標値26~

bottom of page