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セッションの進行について

 本RPGのセッション(1回のゲームプレイ)は、以下の手順で行われる。

1.セッション開始前

 セッション開始前に、キャラクターを作成するかもしくは、既存のキャラクターの準備を行う。

 また、シナリオ側から各PCに与えられる設定(シナリオハンドアウト)が存在する場合、その決定なども行っておく。

 セッション開始後は、おおまかに以下の順番で進行する。

2.オープニング・フェーズ

 各キャラクターの、事件に関わる経緯などを描写する、導入の部分。

 なお、オープニング・フェーズ開始時(つまりセッション開始時)に、各プレイヤーは5ドローを行って初期の手札を用意しておく。

3:ミドル・フェーズ

 情報収集などを行い、事件の核心へと近づいていく部分。

4:クライマックス・フェーズ

 事件の核心へと接触する、基本的には、今回の事件の黒幕である敵対勢力と本格的に戦う部分。このフェーズが終了すると、後述する《崩壊率》によっては、何らかの崩壊が起きる。

5:エンディング・フェーズ

 事件後の描写を行う部分。

6:セッション終了後処理

 経験点の配布などを行う。

 

■パート

 それぞれのフェーズは、「パート」という単位で分割される。

 これは、関連する一連の出来事を描くもので、時間的隔たり、場所的隔たりなどによって、次のパートに移行する。

 PCは、パートに登場していなければ、《視点分離》を除く、何のアクションを取ることも出来ない。

 パートには、基本的には、一人以上の、絶対登場しなければいけないPCが定められている。

 また、逆にPCの登場制限のあるパートを設定することも可能である。例えば、敵対キャラクターがPCの知り得ない場所で会話している描写を行うパートでは、明らかにPCは登場不可能である。

 そういった制限が無いのならば、GMが許可すれば、各PCはいつでもパートに登場してよい。

 パートは、GMが予め「このパートでは何が起こるか」を定めて設定するものであるが、プレイヤー側は、「このような行動を描写するパートを挟みたい」と提案することも可能である

 パートの終了時に、そのパートに登場していたPCは、ドロー1を行う。その後、手札が6枚以上になっている場合、5枚になるまで捨てる。

 

1.セッション開始前

 セッション開始前には、まず、シナリオの進行やNPCのコントロール等を担当するGMは、今回遊ぶシナリオのトレーラー、いわゆる今回予告を読み上げる。

 その後、今回のシナリオの中でPCに取ってもらいたい各役割設定を表す、シナリオハンドアウト(以下ハンドアウト)を提示する。ハンドアウトでは、今回のシナリオで描かれる事件に対する関わり方や、それに付随する関係を一つかまたは複数個用意し、プレイヤーにはそのどれかを選んでもらう。そして、選択した役割に適合出来るようなキャラクターを作成するか、または既存のキャラクターを(適宜、成長やアイテムの購入などを行って)用意する。例えば、「普段は学生であり、高校に通っている」という事が提示されたハンドアウトを選択したのに、「普段は会社員である」という設定のキャラクターを作成するのは、望ましいとは言えない。ただし、想定との違いがあっても導入の形自体に変化は無いと考えたのならば、GMに相談して、ハンドアウトの内容を微調整するのも良い。

 キャラクターが完成したら、記録シートに日付、GM名、プレイヤー名、PC名、シナリオ名、HP、MP、シナリオ用関係欄(今回のシナリオを遊ぶことによって、ハンドアウトや、セッション進行中に得た関係性を記録しておく欄。初期にはハンドアウトに示された関係を書いておく)、《流出》の記入を行う。事件に関わる目的を示す「目的」欄は、オープニング・フェーズ終了時など、シナリオ中に与えられるため、基本的には、最初は空白で良い(ハンドアウトの時点で提示しておくのも良い)。なおシナリオ用関係欄は、必要に応じて、いつでもGMに申請して記入してよい。ルール上はそれ程意味を持たないものであるが、PCから他のPC、NPC等に対する感情が明確であると、幾らかロールプレイがしやすいと思われる。

 

 キャラクターシート、記録シートの記入が終わったら、各プレイヤーは、自身のキャラクターの紹介を行う。

 ここでは、名前や生別、年齢、外見的特長、経歴や性格の傾向などを自由に紹介するとよい。また、能力的な特徴(どのようなスキルを取得しているか)も説明しておくと、戦闘時の連携が取りやすいだろう。

 

2.オープニング・フェーズ

 オープニング・フェーズでは主に、各キャラクターに渡されたハンドアウトに従って、事件への導入を行う。

 例えば「自身に宿っている"特別性"を隠しつつ、普段は学校生活を行っている学生」というポジションならば、ここでは、その日常たる学校生活を描写した上で、事件に巻き込まれるような出来事――例えば、今まで"表側"の人間だと思っていた幼馴染の女の子が、謎の男と交戦しているのを見かける等――に繋げる。

 また、組織に属するポジションならば、その組織のメンバーから任務という形で事件の事を伝えられ、積極的に関わっていくというオープニングでも良いだろう。その場合、この時点で、達成すべき「目的」が与えられる事になる。

 

3.ミドル・フェーズ

 ミドル・フェーズでは主に、PC同士の出会いや、事件の追及・発展など、物語の経過を描いていく。

 基本的にはパートの進行と共に物語が進んでいくが、特にイベントが発生せず、PCが何らかのアクションを取らなければシナリオが進行しない、自由行動パートも発生する。

 自由行動パートで行えることは、以下のような事である。

  • 情報収集:不明な事項について調査を行う。GMは、調査項目を列挙し、それぞれについて、調査に用いる技能と目標値を設定する。PCは調査項目と使用技能を設定した上で調査を行い、それがどの程度成功したかの情報収集判定を行う。主な使用技能は【交渉】か【知識】であるが、GMが提示しなかった技能でも、プレイヤーはその使用を提案し、それが尤もらしいと判断したならば、それによって判定を行うことをGMは許可してよい。

 情報収集判定は、時間の掛かる行為であるため、基本的にはPC一人につき、1パートに1回のみ行える(他の時間の掛かる行為と同時には行えない)。

 なお、情報収集判定直後に、資金を好きなだけ用いることにより、資金1点ごとにその判定値を+1することが出来る。

 情報収集では、場合によっては、他のPCの動向が分かる事もあるため、未だに合流を行っていないのならば、積極的に合流を行うことが望ましい。

 

  • 調達:PCは、任意の一般アイテム一つの入手を試みることが出来る。それが入手できたかどうかは、調達判定によって決まる。

 調達判定では、【調達】技能を用いて、[目標のアイテムのコスト+20]を目標値として判定を行い、成功すれば、そのアイテムを一つ獲得できる。

 調達判定は、時間の掛かる行為であるため、基本的にはPC一人につき、1パートに1回のみ行える(他の時間の掛かる行為と同時には行えない)。

 なお、調達判定直後に、資金を好きなだけ用いることにより、資金1点ごとにその判定値を+1することが出来る。

 

  • 回復:PCは、戦闘などによって発生した傷を癒すために治療を行ったり、精神的な疲労を回復させるために、休憩したりすることが出来る。

 回復を行ったPCは、オープン2を行い、HPとMPを、その合計値+10だけ回復する。

 回復は、時間の掛かる行為であるため、基本的にはPC一人につき、1パートに1回のみ行える(他の時間の掛かる行為と同時には行えない)。

 なお、シナリオの展開上、キャラクターが休憩を取ったと思われる場合にも、この回復処理を行っても良い(例えば、日付をまたいだ場合など)。

 

  • その他の行為:情報収集以外の行為。例えば、情報収集によって敵対勢力の本拠地がどこにあるかは大体分かったが、その施設が魔術的に隠蔽されていて、結局は具体的に何処にあるか分からない時は、自分の足と魔術的知識を用いて探す必要がある。また他の例として、ヒロインの少女が何らかの目的であなたに会いたがっている時には、会いに行くことも出来る。このような場合には、シナリオにもよるが、無視すると大抵は事態が悪化するであろう。

 

 情報収集や、その他、シナリオを進行させるための行為を取ることで物語が進行していく。

 

4.クライマックス・フェーズ

 クライマックス・フェーズでは、事件の核心に迫る行動を行う。

 多くの場合は、事件の黒幕との、本格的な戦闘であり、勝利することで事件に決着をつけるというものである。

 クライマックス・フェーズ終了時には、崩壊率に従って、崩壊表の適用が行われる。

 

5.エンディング・フェーズ

 エンディング・フェーズでは、事後処理や後日談など、事件の後の描写を行う。

 事件を終息させた後に取り戻した、或いは変化の訪れた日常を描写したり、自身の属する組織への報告を行ったり等を描いていく。

 

6.セッション終了後処理

 ここでは、以下のような処理を行う。

  • 死亡、消滅したPCの、ゲームからの除外

  • HP、MPへのダメージの消去

  • 《流出》と《視点分離》の使用回数の回復

  • 損失された初期装備の回復

  • 記録シートの関係欄の中から、必要に応じて、キャラクターシートの関係欄に転写する

  • 経験点の配布と、記録シートへのGMの署名および、獲得経験点をGM用記録シートへ記入

 

■経験点の配布

 以下のような基準に基づいて、GMや他のプレイヤーが判断し、経験点を与える。この時、出来るだけ積極的に経験点を配布する事が望ましい。

  • セッションに最後まで参加した…1点

  • 「目的」を達成した…10~30点

  • 良いロールプレイをした…1点

  • 他のプレイヤーを助けるような行動や発言を行った…1点

  • GMを助けるような行動や発言を行う等して、セッションを円滑に進行させた…1点

 これらの経験点は、そのPCではなく、プレイヤー自身に与えられる。プレイヤーは経験点を用いて、自身のキャラクターを成長させることが出来る。セッションの前後に経験点を消費する際、その時のGMは、消費した経験点の元となる記録シートに署名を行うとよい。

 また、プレイヤーは、経験点を獲得したら、GMの記録シートに、獲得した経験点を記入する。それらの合計を3で割ったものが、そのセッションにおけるGMの獲得経験点となる。​

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